独自のシステムが採用された“制限型”短編RPG。帝国軍の誤射によって瀕死の重傷を負った少女と、帝国軍に追われる身でありながら少女の命を救うため、少女に憑依した魔女の「戦いの旅路」が描かれる。疑似生命を使い果たす前に、目的地にたどり着けるか?
「ブロッサム・ガール」は、ミニゲームと短編小説とを融合させたような短編RPG。すごろく状のマップに配置されたシンボルをサーチし、最適なルートを選択しながら、目的地にたどり着くことが目的。「何か動作を行うたびにポイントが減少する」独特なシステムが採用されている。戦闘と戦闘の合間には、小説風のシナリオパートも用意されている。
ゲームの主人公は、北東帝国の辺境「スヴェティア」にある花屋の娘「サーシャ・レムリス」。隣町の夫婦に届ける花束用の花を摘みに訪れたニエの森で、帝国軍兵士の誤射により心臓を射抜かれてしまう。
瀕死のサーシャを助けたのは、帝国軍に追われる虹の魔女「クラウディア」。自らの意志で生身の身体を捨て、霊体となっていた。直接物理干渉をすることはできないが、憑依することで生命力を得て、敵と戦う能力を発揮できる。この「憑依融合の術」でサーシャは死を免れたが、現在の状況は疑似生命を得ているだけ。疑似生命の残存量がなくなると、クラウディアもろとも正真正銘の死を迎えてしまう。
希望はただひとつ。クラウディアのかつての師で、西に住む影の魔女「アルケイディア」のもとに生きてたどり着くこと。アルケイディアなら、ひょっとして不完全な憑依合体を解除し、命を元に戻す方法を知っているかもしれない。果たして二人は、疑似生命がすべて失われる前にアルケイディアに会うことができるだろうか……。
サーチシステムを有効に利用し、最も効率のよいルートを探してゆく
ゲームシステムは独特。第一話を除き、ゲーム中で何か行動を起こすたびに「RLP(Replica-Life Point)」が消費される。RLPが0になったり、復活に必要なRLPが残っていない状態でHPが0になったりすると、その時点でゲームが終了し、複数用意されたエンディングのひとつに自動的に移行する。ゲーム中にRLPを回復させる手段はない。
エリアマップにはマス目に区切られた道が表示され、一歩移動するごとにRLPが1ポイント減少する。敵との戦闘でコマンドを実行しても、ポイントは減少する。プレイヤーには「無駄な移動や戦闘を避け、できるだけ効率よくプレイすること」が求められる。
サブキー(【C】/【Shift】)を入力するか、メニューから選択することでサーチモードに移行できる。サーチモードの間は画面に緑色のカーソルが表示され、自機の代わりにカーソルを移動させることで、エリアマップ上のエネミーやアイテムの情報を得ることができるようになる。ただし、エリアマップは四分割され、各話開始時点で視認できるのは、プレイヤーキャラの立っている面だけ。未到達の残り三面は黒く閉ざされ、サーチも効かない。
敵や状況に応じてアタックレシオを適切に設定し、戦闘に勝利しよう
エネミーやアイテム、ゴールの位置はエリアマップ上にシンボルで表示されている。渦状の点滅はエネミーシンボル。薄紅色のものは戦闘中の逃走が可能な通常エネミー、紫色のものは逃走不可エネミーだ。青い四角形はアイテムシンボル。回復薬やボム、ガードブレイカー、アタックブレイカーなどのアイテムを入手できる。
ゴール地点には赤く点滅する箱状のシンボルがあり、到達すると当該エリアのクリアとなる。
エネミーシンボルに重なると戦闘がはじまる。戦闘時のコマンドは5種類。「攻撃」は、通常攻撃を行うが、攻撃前にアタックレシオを決定する独特なシステム。アタックレシオの初期値は100%だが、75%から150%の間で自由に変更できる。アタックレシオを上げると攻撃力は増すが、当該ターンの防御力が低下する。下げた場合は逆に、攻撃力は低下するが防御力はアップする。
「融合攻撃」は、魔女との憑依融合の力を極限まで引き出し、敵に著しいダメージを与えられるもの。ただし、RLPを大幅に消費する。RLPの消費量が異なる3種類の攻撃が用意されている。
「防御」は、ターンのダメージを1/4に軽減する代わり、RLPを4消費する。「アイテム」は、手持ちのアイテムを使用する。RLPの消費はない。
「逃走」は、通常エネミーからの逃走に使用する。成功率は100%。ただし、シンボルはエリアマップから消滅し、再接触は不可能になる。RLPの消費は2。