XYZの3D空間に棒グラフや帯グラフ、あるいはベクトルや球(バルーン)などを配置してデータを表示する「3Dグラフ」は、3次以上の多次元データの視覚化において効果的な表示方法だ。ただし、これはあくまで「わかりやすく作成された3Dグラフ」が用意されている場合のこと。実際に自分で3Dグラフを作成しようとすると、実は結構、難しい。例えば、Excelのグラフ作成機能にも「3Dグラフ」があるが、この機能を使ってグラフを作成しようとしても、「見やすいグラフ」を作るのが難しいことは、実際に使ったことのある人ならば、実感していることだろう。
そこで「Graph-R」だ。このソフトには、個々の座標値を計算する機能は備わっておらず、CSV形式のデータは、Excelなどの外部アプリケーションを使って用意する。つまりユーザにとっては、もともとグラフ作成機能を持っているはずのアプリケーションを使って、その機能をあえて使わず、「Graph-R」用のデータを作るということになるわけだ。これはすなわち「あえてそうした余計な手間をかけても、より品質の高い、あるいはより簡単な手順でグラフデータが得られる」ことを意味する。
これだけでも「Graph-R」のすごさがわかるのではないだろうか。いま使っているアプリケーションの3Dグラフの品質に不満を感じるのであれば、あるいは、より手軽に3Dグラフを作りたいのであれば、ぜひとも一度試してみていただきたい。
(天野 司)