アプリケーションウィンドウをスクロールさせるときに「まず、そのウィンドウをクリックして、アクティブ化する」という操作は、ほとんどの人が当たり前に行っているものだろう。また、その操作に特に不都合を感じることもないだろう。だから「非アクティブのままスクロールできる」と聞いただけでは、それほど魅力的な機能とは思えないかもしれない。ところが実際に使ってみると、これが大変に便利なのである。何か文書を作っているときに、別のウィンドウで参考資料を参照したいときなど、作業ウィンドウをアクティブにしたまま、非アクティブの参照ウィンドウをスクロールして、必要な場所を探すことができる。ちょっとした手間が省けるだけなのだが、これが快適なのだ。まさに「目から鱗」だ。
ただし、スクロールの扱いはアプリケーションによって異なるので、ひと筋縄ではいかないことがある。「WizMouse」でも特にマウスホイール非対応のアプリケーションに関するオプション(Enable mouse wheel for applications without mouse wheel support)を指定したときなど、思い通りの挙動が得られないケースがあるが、これは仕方がないことだろう。
同様の機能を持つソフトはいくつかあるが、「WizMouse」はおそらく最もシンプルで、誰にでもすぐに使うことができる。とにかく、一度使うと手放せなくなるソフトであることは間違いがない。
(土屋 佳彦)