ドイツ生まれのファイル復元ソフト。状況に応じたスキャン方法を選択することで、効率的に復元作業を進められる。「PC INSPECTOR File Recovery」は、ハードディスクをはじめ、USBメモリやコンパクトフラッシュなどのメディアから、消失してしまったファイルを復元するためのソフト。ごみ箱から削除してしまったファイルだけでなく、ウイルス被害などで消えてしまったファイル/フォルダ、クイックフォーマットしたドライブ、表示されなくなった論理ドライブ内のデータなどを復元することが可能。対応するファイルシステムはFAT12/16/32およびNTFS。
操作はメイン画面または起動時に表示されるWelcome画面から行える(どちらを利用するかによって、手順はわずかに異なる)。Welcome画面には、3種類の操作内容と、それぞれで実行されるプロセスの説明が表示され、対応するボタン(タブ)をクリックすると、ドライブ選択画面が現れる仕組み。対象ドライブを選択し、実行すると、スキャン結果がメイン画面に表示される。
メイン画面から操作する場合は、まず「Drive...」(または「Open drive」ボタン)でドライブ選択画面を開き、ドライブを指定する。この時点で削除済みファイルのスキャンが行われ、復元可能となる。消失してしまったファイルを復元したい場合は、あらためて「Find lost data」でスキャンを行えばよい。
スキャン結果は「Root」「Deleted」「Lost」「Searched」の各フォルダに分類表示される。「Root」は、実際のフォルダ構造で表示されるもの。認識できなくなったドライブからファイルを復元する場合、物理ドライブをスキャンし、論理ドライブを選択すると、「Root」にドライブの内容が表示される。
「Deleted」に表示されるのは削除済みファイル。「Root」同様、ドライブ内のファイル構造がツリー形式で表示される。
「Lost」には、何らかのトラブルで表示されなくなったファイルが表示される。「Find lost data」でスキャンを実行すると、結果は「Lost」に表示される。スキャン時には、開始クラスタと終了クラスタを指定(範囲を限定)して、時間を短縮することが可能だ。
「Searched」には、ファイル名に含まれる文字列で検索を実行した場合、結果が表示される。
ファイルを復元するには、スキャン結果から目的のものを選択し、「Save file/directory」または「Save to..」を実行して、保存先を指定すればよい。
ファイル復元のための補助機能として、ドライブ情報(シリンダ数やセクタ数)やシステム情報(ハードの仕様、OSのバージョンなど)を表示させることも可能だ。