ちょっと気取っていえば、「無用の用」という言葉を想起させるソフト。「ジョークソフト」とか「ユーモアソフト」というのともちょっと違う、曰く言い難い一本だ。ただそこにいる「しめじ」を眺めて癒される人もいるだろうし、気晴らしにちょっかいを出してみるのもよいだろう。ただし、何をしようと「しめじ」が大したリアクションをしてくれるわけではないし、時々見せる動作も「いかにも狙ったようなかわいさ」の類のものではない。そもそも顔の造作が造作だけに、「愛くるしい」といった表現とは無縁だろう。にもかかわらず、その動きや佇まいに「何か」を感じずにいられないのは、なにかしら己の投影なのであろうか。
「しめじ」が唯一、意思らしいものを見せるのは「IEを投げ捨てる」というアクション。ウィンドウをかついでデスクトップ端の方へ運んでいったあとに外へ放り投げるのだが、なかなかお目にかかれないかと思うと、短時間で繰り返し遭遇したりもする。かなり気まぐれのようだ。
Personal Edition、Professional Edition、Ultimate Editionの3種類があり、自己増殖数や動きに多少の違いがあるが、すべてフリーソフト。オプションで機能を制限するのではなく、あえて3種類のエディションに分けた理由は不明だが、お陰でというべきか、公式サイト内の説明にはちょっとした「くすぐり」がある。気になる方は、そちらもチェックしてみよう。
(福住 護)