かなり見どころの多い、個性的かつ強力なキャプチャソフト。第一の特徴は、キャプチャ用ツールとエディタの二つに分かれている上、出力先にエディタ以外も指定できるところ。「エディタ経由で確認して保存」というのがオーソドックスな流れだが、そのほかにもいろいろと選べるので、使い方の幅が広い。エディタ自体はシングルドキュメントウィンドウ(SDI)で、「とりあえず連続キャプチャして、あとから必要なものだけを取捨選択して保存」という使い方には不向きだが、その代わり、自動保存やFTP転送などにも対応しており、単純に連続キャプチャしたいときには手間が省ける。このあたりは、ソフトの個性が端的に出る部分なので、自分の使い方と照らし合わせて、チェックしておきたい。
ドロー機能やキャプション機能も充実している。キャプチャ画像をベースに説明図を作りたいときなどは、ほかのアプリケーションとの連携が不要で、手間を省くことができる。実はフォトレタッチ的な機能も、コントラストやガンマ補正、レベル補正などが揃っているが、これらはツールバーではなく、メニューからのみ実行できるので、気がつきにくいかもしれない。スクリーンキャプチャとガンマ補正やレベル補正は一見関係が薄そうに思えるが、スキャナからの読み込み(Acquire Images from Scanner)も可能なので、これに対応したものだろう。
「FastStone Capture」だけで動画の保存ができるのも大きな魅力。パソコン関連のドキュメントやWebコンテンツ、チュートリアルなどの作成に活躍してくれそうな強力なキャプチャソフトだ。
(福住 護)