ソフト名の通り、Windows、Mac、Androidのマルチプラットフォーム向けのプログラムが1本にパッケージされているが、ここではWindows版をもとに紹介している。名称としては目新しいが、機能面ではいわゆる「インターネットセキュリティ」と呼ばれるタイプのもの。すなわちウイルスや迷惑メール、不正アクセスによる攻撃や情報漏洩、フィッシング詐欺といった、主にインターネットの利用にともなう危険からパソコンを保護してくれる“セキュリティスイート”だ。セキュリティ対策ソフトは年々機能を向上させてゆく一方で、ユーザに操作や設定の負担をかけないよう、シンプル化されてきているという印象が強い。そんな中で「カスペルスキー」は、「より積極的にパソコンを使いこなしたいユーザのためのセキュリティ対策ソフト」といった感じがする。それを端的に示すのが「セーフデスクトップ」「セーフブラウザ」「セキュリティキーボード」といった機能だ。単純に「不審なプログラムやWebサイトだから、遮断しますよ」というだけではなく、安全に試せる環境を提供してくれるのは頼もしい。
もうひとつ特筆したいのは、(話が戻ってしまうが)マルチプラットフォームというライセンス形態についてだ。従来のように「Windowsパソコン3台まで」といった形ではなく、インストールするプラットフォームの組み合わせを自由に選べる。つまりWindows、Mac、Androidそれぞれ1台ずつでもよいし、Windows2台にMac1台や、Windows1台にAndroid2台といった組み合わせでもOK。とにかく3台までなら自由にインストールすることが可能で、フレキシブルに利用できる。用途に応じて複数のプラットフォームを使い分けたいヘビーユーザには、この点は強くアピールしそうだ。
(福住 護)