ソフトを開発しようと思った動機、背景
私の勤め先の部署では、人それぞれの仕事の都合によって、お昼休みの開始時刻が少しずつ異なっているのが通常です。その場合、それぞれの人が60分間ならきっかり60分後にお昼休みを終えて仕事に就くかといえば、それはなかなか難しく、周りの人たちに合わせたり、結構あいまいなものです。早過ぎるとしっかり休めていないわけですから、仕事の効率も落ちるでしょうし、逆に遅くなりすぎると、落ち着かない気持ちになることもあるでしょう。自分のお昼休みが終わったことをはっきりと自分に(あるいは周りにも)知らしめることができれば、けじめにもなり、精神衛生上にもよいのではないかと考えていました。昨年、MicrosoftのWindows Presentation Foundation(WPF)というソフトウェア基盤を勉強しようと計画したときに、何か形に残そうと思い、頭をめぐらせた結果、このような機能を持つソフトに想いが至りました。休憩中にパソコンの画面を見ているときも多いものです。そのようなときには視覚的に楽しいものがよいでしょうし、WPFはそのようなソフトを作るのにぴったりだと思いました。また、折から勤め先の「地球環境保全への取り組み」の方針もあり、二酸化炭素の削減についての意識もありましたので、ついでに節電にも寄与できれば一石二鳥にもなると思いました。
開発中に苦労した点
WPFを使用すると、柔軟なUI(ユーザインタフェース)設計ができる反面、懲りすぎると実行効率の低下を招くと感じられました。能力の低いパソコンでもこのソフトを利用してもらいたいと考えると、効率を犠牲にはできません。なので「このソフトの主な役割が画面上で強く感じられる部分にWPFの柔軟なUI機能を積極的に使う」ということに気をつけました。また、1秒ごとに繰り返し動作する仕組みであることから、実行効率に影響する部分を見直して、無駄な処理の削除や短縮を図るようにしましたが、まだまだ満足のゆく結果は得られていません。最後にはモジュールが多くなってしまい、起動に時間がかかるようになってしまったため、立ち上がりの処理に改善が必要になりましたが、ここで非常に苦労しました。結局、本体のWPFモジュールの起動と並行して別スレッドで簡潔なFormモジュールを起動し、先行して表示されるForm画面にも最低限必要な情報を表示するという方法を採用することにしました。
ユーザにお勧めする使い方
このソフトの目的は、自分のお昼休みの自己管理なので、使い方は単純です。「食事に行くときに起動し、席に戻ってのんびりしているときにメロディが鳴ったら仕事を開始する」あるいは「食後に外でのんびりお茶をしているときにメールが着信したら帰社する」といった二通りの使い方です。オプションとして、パソコンがスリープして問題のない環境であれば、お昼休みの節電にも心がけましょう。あとは、音符や和音進行の知識のある人であれば、終了通知用の曲を独自に作成して周りの人に聞かせてあげるといった使い方も楽しいです。
今後のバージョンアップ予定
当初は、IPフォンを利用している会社であれば、携帯電話に対してワンギリ連絡できる機能も加えようと考えたのですが、テストする環境が得られそうになかったので、早々に諦めました。いつか家にいる時間がもっと長くなり、もっと暇になったらSIPプロトコルをもっと勉強して、再挑戦したいとは思っています。そのほかにも、ちょっとした機能追加や変更、UI表現でご要望がありましたら、検討したいと思いますので、お気軽にご連絡ください。
その他
57歳になってパソコンのプログラミングの勉強をはじめ、暇を見つけては独学を続けて5年が経ちます。恥ずかしながらも、今回のような場をお借りしてソフトを公開できるまでになったことがとてもうれしいですし、これを励みに今後も実用的なテーマを見つけて取り組んでゆければよいなと思っています。
(らっはー)