MS-DOSの時代から歴史と実績を積み重ねてきた、老舗の高機能テキストエディタ。新バージョン「9」では、検索・置換をはじめ、数多くの機能が強化・追加され、より使いやすくなった。「MIFES」は、大容量のファイルや多数のファイルも高速かつ安定して編集できるテキストエディタ。プログラムの開発はもちろん、ログファイルの閲覧やCSVデータの編集、原稿執筆、テキスト整形、HTMLの作成など、テキストデータを扱う作業全般で利用できる。複数のファイルをタブ切り替えやドキュメントウィンドウで表示するMDIモードと、1ファイルごとに「MIFES」を起動するSDIモードを搭載。2GBまでのファイルを最大100本開くことができ、UnicodeやEUC、繁体・簡体中国語など、多くの文字コードに対応する。新バージョン「9」では、検索・置換のほかにも、正規表現検索やgrep検索などの機能も強化された。さらに、新たに「CSVモード」が追加され、CSV/TSVなどのレコードデータの編集も容易になった。バージョン管理システムとの連携も可能になった。
メイン画面は、テキスト編集エリアと、左側に表示される「リストウィンドウ」、上部のツールバーなどからなる。リストウィンドウには、ファイルや履歴の一覧が表示されるほか、検索用やファイル比較用のボタンなどが配置される。履歴は最大100件まで保存することが可能。起動時に前回編集していたファイルを自動で開いたり、前回の編集場所を記憶したりする機能もある。
編集では、通常のテキスト編集に加え、「バイナリ」「テキスト(CSVモード)」に切り替えることが可能。テキスト以外のファイルを開くと自動的にバイナリモードになり、16進コードで編集できる。テキスト(CSVモード)では、カンマやタブ、スペースなどで区切られたテキストデータが、表計算ソフトのようなセルの形で整列表示され、行単位や列単位で選択したり、挿入したりすることが可能。さらに、列番号の表示やドラッグによる列幅の変更、セル内でのデータの改行、列単位での並べ替えなど、表計算ソフトと同様の作業を行える。
キーワードの色分け表示にも対応する。編集対象ファイルの拡張子に応じて、プログラミング言語の予約語や変数などのキーワードが自動的に色分けされ、強調表示される。
検索・置換機能では、「検索文字列」エリアの複数行表示に対応。改行やタブなどもテキスト編集画面と同様に表示される。通常の文字列検索以外にも、ワイルドカードや正規表現を使った検索、あいまい検索などを行うことが可能。複数ファイルを対象に一括検索を行えるグローバル検索機能(grep)やグローバル置換機能も搭載する。タグジャンプや指定行へのジャンプ、見出し行へのジャンプ、ブックマークの設定なども可能で、編集作業の効率を高めてくれる。正規表現は、新バージョン「9」で採用されたPerlタイプか、従来タイプかを選択して利用できるようになっている。
カスタマイズ機能も強力だ。画面の配色やフォント、編集記号の表示から、メニューやキー操作などまで、ユーザの好みに応じて変更することが可能。ログインユーザごとにカスタマイズ設定を切り替えることもできる。ツールバーから簡単に操作できるキーボードマクロや、独自のマクロ言語「MIL/W」を使って、自動処理を行わせることも可能だ。
プログラム開発などの用途では、バージョン管理システム「Subversion」「Visual SourceSafe(VSS)」との連携が可能になった。ファイルの更新履歴や変更個所などを確認できる。
印刷機能では、多段組や行数・桁数、禁則処理、ワードラップ処理などを指定して、印刷することが可能。編集画面上のイメージにできるだけ近い形で印刷できるようにワンタッチで設定してくれる機能もある。印刷設定は保存しておくことが可能で、用途に応じてさまざまなレイアウトを簡単に使い分けられる。
そのほかにも、
- 外部プログラムとの連携
- HTMLタグの挿入
- 文字数のカウント(統計情報の表示)
- よく使う語句や日付・制御コードの挿入
- キー操作による罫線作成
などの操作も可能。充実した機能を誇る。ライセンス形態も変更された。同一ユーザが使用するパソコンであれば、2台までにインストールできるようになった。「パソコンにインストールしたものと同時使用でなければ」という条件付きだが、USBメモリにインストールしたもの(ひとつだけに限る)を持ち歩いて使用することも可能だ。