リモートデスクトップ接続はWindowsに搭載された機能で、自分のパソコンの画面にほかのパソコンのデスクトップを表示して操作できる。ただし、接続したいパソコンが複数台ある場合は、そのつどログオンしなければならない。純粋に1対1での接続はともかく、ネットワーク管理者が全パソコンのメンテナンスやチェックを行うといった用途では、やや面倒な部分もある。「MBC Remote Desktop」は、この弱点を解消したソフトだ。リモートデスクトップ接続では、コンピュータ名を直接指定するか、履歴から選択しなければならなかったところを、あらかじめリストに登録しておける。コンピュータの説明も細かく登録できるので、多くのパソコンを扱わなければならないときのアクセス自体がまず便利だ。接続先のパソコンを登録したリストは、フォルダを作って階層的に整理できるので、扱わなければならないパソコンが増えるほど、その差は顕著になる。
複数の接続先をタブで簡単に切り替えられるところや、ツールバーを使って再起動したり、シャットダウンしたりできるのも作業の効率アップにつながるし、スクリーンショットの保存機能はトラブルシューティングなどに活躍してくれそうだ。
接続先を登録する際には、コンピュータ名やユーザへの権限割り当てといった知識(もちろんこれは「MBC Remote Desktop」だけでなく、リモート接続全般に必要なもの)が求められるが、実際にリモートアクセスで操作する分には、関係ない。
本職のネットワーク管理者でなくとも、複数台のパソコンを操作する機会が多い人にとっては、かなり役立つソフトだ。
(福住 護)