さまざまな方法で手に入れた商品で、店を運営してゆく経営シミュレーションゲーム。約600種類のアイテムが登場する。「海洋レストラン☆海猫亭」は、架空の都市を舞台に食堂を経営するシミュレーションゲーム。同じ作者・犬と猫さんによる人気の経営シミュレーションゲーム「レミュオールの錬金術師」と共通の世界設定で物語が描かれる。基本的なシステムは「レミュオール」を受け継いでいるが、内容はかなりパワーアップしている。
ゲームの主役は、海洋都市イシュワルドに住む少女「イブ」。イブは街の宿屋の看板娘だったが、母親の命令で食堂経営を任される。しかも店を改装したために、莫大な借金まで抱えることになる。プレイヤーの目的は、食堂をうまく経営して借金を返済すること。利益を上げて借金を返済するために、商品の仕入れと販売を繰り返してゆく。
基本的なルールは、商品を仕入れて売るだけとシンプル。ただし、(「レミュオール」の倍以上の)約600種類のアイテムが用意され、やり込み要素はかなり高い。商品の仕入れシステムも、複数の商品から新しい商品を作り出す「閃き合成」システムをはじめ、大きくパワーアップしている。
「冒険」によるアイテム仕入れも健在。「レミュオール」では二人の友人に冒険を依頼してアイテムを得ることができたが、「海洋レストラン☆海猫亭」では雇える冒険者が総勢100人以上に増えた。雇用したキャラには、アイテム探し(冒険)のほか、牛や鶏の世話、畑の世話などを依頼することができる。
冒険者には、雇用賃金を日当として支払う。キャラによって毎日の賃金が異なるほか、牛の世話が得意だったり、冒険が得意だったりと、得意分野も異なる。雇用したキャラは最初からすべての仕事ができるわけではなく、「下積み」コマンドなどで「勲功」をアップさせることで、選べる仕事が増える。このため、下積みで仕事を増やしたり、冒険をさせて強くしたりなど、ちょっとした育成要素も楽しめるようになっている。
商品を売るためには「売棚」に登録する必要がある。基本画面の中央には、売棚に並んだ商品のリストが表示され、画面右には、現在来店している客のリスト(注文棚)が表示される。注文棚に表示されているのは「注文を受け付けられた」客。アクティブになっていないグレーゾーンの注文棚に表示されているのは「注文待ち」の客だ。
来店するそれぞれの客には、好物、好きな天気、年齢、性別などが設定されている。これらの好みに合った環境が整うと、客の「満足度ポイント(評価)」がアップする。ただし、注文の待ち時間が長くなると満足度が下がってしまう。注文棚は初期状態で二つしか枠がなく、二人の客の注文が受け付けられている状態では、店に他の客がいても次の注文を受けられない。注文にかかる時間が長すぎると、客が帰ってしまうこともある。
注文棚と売棚は建築事務所に頼んで増築することも可能だが、増築にはGP(ギルドポイント)と呼ばれる特殊なポイントが必要。GPを手に入れるには魔物退治をしたり、特定の大会に出場したりと、店の経営以外のこともしなければならない。こうした行動のバランスを考えるのもゲームの醍醐味だ。
「レミュオール」にないステータスもある。来客数に関わる「人気能力」、ひとりの客の購入個数が増える「宣伝能力」、客の満足度をアップさせる「清掃能力」などだ。能力アップの方法もそれぞれ異なる。例えば「人気能力」をアップさせるには、ひとつの商品を999個以上売ればよい。
ゲームを進めてゆくと、中盤から「消費期限」付きの商品が出てくる。消費期限がある場合は、納品してから特定の日数で販売しなければならない。ほかにも、特定のポイントを所持していないと販売できない商品が登場するなど、少しずつ売りさばくのが難しくなる。もちろん、販売が難しい商品ほど高い価値があるので、頑張ってプレイしたい。