文書の履歴管理機能を備えたユニークなドローソフト。「Dynamic Draw Professional」は、組織図やフローチャートのようなものを描くのに適したドロー系グラフィックソフト。直線や矩形、楕円などの描画ツールで図を描けるのはもちろん、履歴管理機能で文書の編集履歴が記録されるため、ある時点まで遡ってそのときの図を確認したり、そこを基点に別の図を描いたりといった使い方ができる。
文書は「プロジェクト」という単位で管理される。プロジェクト内には「履歴文書」という形式の書類を複数作成できる。履歴文書は(一般的なイメージでいうところの)文書ファイルに相当する。
履歴文書には編集操作が記録され、ユーザはいつでも「ある時点の文書」を呼び出せる。ある履歴文書をもとに他の履歴文書を作成した場合も、文書をツリー構造で管理できるようになっている(元になった履歴文書から新しい履歴文書が枝分かれするような形で階層的に表示される)。
文書の階層構造を効率よく参照できるよう、描画エリアやツールパレットのほかに「履歴構造ビュー」という表示エリアが用意されている。履歴構造ビューには3種類の表示モードがあり、プロジェクト全体を見渡したり、特定履歴文書の内容を詳しく表示させたりといった使い分けが可能。履歴文書の内容を参照したり、検索を行ったりするための「History Manager」というツールも付属する。
ドローソフトの基本機能としては、直線や矩形、楕円形といった基本的な図形(総称して「部品」と呼ばれる)の描画を行えるほか、付箋のような感じでテキストを入力できるラベル部品、表を作成するための表部品などが揃う。ユーザが作成した部品を登録して使うことも可能。部品には塗りつぶし色や輪郭線の線種、太さなどの属性を細かく指定できる。複数の属性を組み合わせて登録することも可能だ。
図形の整列や重ね順の変更、編集エリアのグリッド表示やグリッドへの吸着、レイヤを使った描画などの機能を備え、本格的なドローソフトとなっている。
テキスト関連機能も強力。ルーラを使ったインデントやタブの配置が可能なほか、図形部品の外形に合わせてテキストを流し込んだり、回転を指定できたりなど高い表現力を持つ。テキストの検索・置換機能も用意されている。正規表現による検索も行える。
そのほかにも左利きユーザに配慮したキー割り当て変更「利き腕の設定」など、豊富な機能を備えている。プラグインによる拡張も可能だ。