今回、花火モノソフトをまとめて触ってみて、あらためてパソコンの処理能力、特にグラフィックの能力は上がったものだなあと感じた(いまさら過ぎるほど、いまさらな話だが)。何でもかんでもパソコンのスペックに頼った作りのソフトになってしまうのは感心しないが、こうしてパソコンのスクリーンで美しい光の軌跡を見ることができのは確かにうれしいことだった。
では、いつものことながら駆足になるが、今回取り上げたソフトについて、ジャンルごとに簡単にまとめてみよう。
■スクリーンセーバ・観賞ソフト
花火を題材にしたスクリーンセーバというのは、ごく一般的というかソフトの数も多く、それだけにどれも同じようなものになってしまうのではないかという不安もあったのだが、ここで取り上げたソフトはそれぞれに工夫された個性のあるものだった。
爆発時の閃光(フラッシュ)や煙などディテールにこだわったリアルさを追求したもの(「hanaBiDX 華美四季」「hanaBiDT 華美四季」「M-FireWorks v2」)、視点を移動していろいろな角度から花火を見ることができるもの(「hanaBiDX 華美四季」、「hanaBiDT 華美四季」「"水上花火大会"スクリーンセーバー」「M-FireWorks v2」)、現実の花火を超える色彩の美しさを実現したもの(「夏の風物詩(花火大会) (Screen Saver)」などなど、パソコンだからこそできる花火のおもしろさを提供してくれている。
しかし、どのソフトにも共通しているのが、やはりこれだけのグラフィック描画のためにはパソコンに相当の負荷をかけてしまうということ。最近の機種ではまず問題はないだろうが、古いマシンでは思い通りに描画できないこともあるかもしれない。これは仕方のないことなのだが、ここで紹介したソフトの多くは解像度を落とすなどのオプションを持っているので、初期状態でうまくいかなくても諦めず、設定画面をいじってみることをお勧めする。
■作成・シミュレーションソフト
ごく一般的な人たちにとって花火は見るものであって作るものではないのだが、現実では不可能な花火作りができるのが、この作成・シミュレーション系のソフトだ。
取り上げた「花火職人になろう2」と「爆発的シリーズ 花火」は、花火作成の画面や手順はほぼ共通している。「爆発的シリーズ 花火」の方は鑑賞時の解像度を落としているのでやや映像が粗い嫌いはあるが、それだけパソコンにかかる負担も小さく、手軽に楽しめるものになっている。鑑賞時の背景画像がたくさん用意されているのもうれしい。
「花火職人になろう2」は、花火作りも鑑賞も本格的なソフトだ。さらにゲームとしてもよく練り込まれた面白いソフトであり、花火作成・鑑賞と育成シミュレーションの二重の面で楽しむことができる。お勧めのソフトである。
「作れる!花火セーバー」は、既存の画像から自作花火が作れるということからこちらのグループに入れたが、スクリーンセーバとしても非常によくできたソフトで、スクリーンセーバのグループにあるソフトとまったく遜色はない。それどころか、全体的なバランスといった面では筆頭に挙げられるかもしれない。これも文句なしにお勧めできるソフトだ。