ベクターソフトニュース - 1999.11.20 |
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風 Ver.2.0
「超多段シフト」で漢字のタッチタイピングを可能にする日本語入力システム ■Windows 98/95/NT ■シェアウェア |
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記憶も曖昧になるほど昔に(およそ10年くらいか?)雑誌で存在を知って以来、興味を持っていた日本語入力システムだ。簡単にいえば、ATOKが頑張って「入れたてのお茶」と変換したのに、「そこはやっぱ『淹れたて』でしょう」と、思わずTVの前でツッコミ入れてしまうような人のためのIMEである。
もう少しマジメに考察すると、このソフトには「IMEの辞書よりも人間の方が賢くて柔軟性が高い」という大前提がある。したがって、使いこなすにはユーザ側にいくつかの条件がある。少し具体的に説明してみると、
以上をまとめると、タッチタイピングができて、IMEの辞書からお仕着せの表現を選ぶだけというスタイルに不満を持っている人のためのソフトといえるのではないかと思う。逆に、「風」に向いていないユーザも簡単にイメージできる。人名・地名などの固有名詞の入力が多く、単語登録が欠かせない人(顔文字を多用する人も含めていいだろう)、漢字が苦手でとりあえずIMEまかせで出てくることばを選びたいという人は、絶対に既存のIMEを選ぶべきだ。 習熟には時間がかかるので、上記のユーザイメージに当てはまる人でも既存のIMEを捨てて乗り換えるだけのメリットがあるかは微妙なところだが、チャレンジしてみる価値はあると思う。筆者ももっと使い込んでみるつもりだ。 いってみれば「風」は現在、一般的なかな漢字変換システムに対するアンチテーゼである。文字を完全に利用者の意思で選び、なおかつタッチタイピングにこだわるという作者の並々ならぬ思い入れが感じられる。特に、どんな読みでも必ず仮想鍵盤の同じ位置に文字が出てくるよう、使用頻度まで考慮して辞書を作るにはかなり苦労されたことだろう。このようなソフトがシェアウェアとして存在するということだけでも、意義は非常に大きいといえる。 最後に、些細ながら気になった点を挙げておく。ひとつはキーカスタマイズ。ひとつの機能に対してあるキー操作を割り当てるようになっているので、「操作Aと操作Bは同じ働きをする」という重複した設定ができない。もうひとつはローマ字入力規則。基本的にはいろいろな入力方法ができるのだが、それでも「じゃ」の入力は"zya"または"ja"で、"jya"は許容しないといった部分がある。いずれも筆者の操作がいい加減なのかもしれないが、こういった部分でカスタマイズの幅が広いほど、他のIMEからの乗り換えもやりやすくなるのではないだろうか。 (なお、記事の前半のソフト概説のパートは実際に「風」を使って書きました) (福住 護)
《スクリーンショット》 別の読みで入力しても、同じ文字であれば必ず同じ位置に現れる 《スクリーンショット》 変換や読みの再入力といったキーはもちろんカスタマイズ可能だ 《スクリーンショット》 入力方式はローマ字、JISかな、OASYS、花の4種から選べる 【作 者】 冨樫 雅文 さん 【作者のホームページ】 http://member.nifty.ne.jp/togasi/ 【補 足】 1999年12月31日まで自由に使用できる |
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