'98年も、市販ソフトに劣らないクォリティを持ったフリーソフト&シェアソフトが数多く公開された。印象に残ったソフトとして紹介する3本は、いずれもフリーソフトであるが、なくてはならない便利なツールとして、とても重宝している。個人的には、市販の所有ソフトと同じかそれ以上のランク付けである。
バックアップには欠かせないツール「RealSync」
バックアップツールは、かなりの数が公開されているが、中でも秀逸なのがこの「RealSync」である。
まずは、インタフェース。フリーソフトやシェアウェアは、利便性では市販ソフトに負けないものも多いが、インタフェースとなるとやはりプロ(市販パッケージソフト)にはかなわない面もある。この点で、フリーソフト・シェアウェアを敬遠する人も多いのではなかろうか。「RealSync」の洗練されたルックスは、その意味ではプロの域に達している。
そして、機能性。バックアップソフトで重要なのは、同期する機能が備わっていること、また簡単にバックアップが行える点である。「RealSync」では、バックアップ元とバックアップ先をクリック一つで、あるいは一定時間ごとに、同じ最新状態に保つことができる。変化したファイルのみを更新するので、余分な処理がかからない。たいていのユーザの場合、バックアップしたいファイルは、ドライブのあちこちに点在していると思うが、それらをフォルダ単位で管理することができる。同期の場合は、ドライブ丸ごとといったツールが多い中で希少な存在である。
筆者の場合は、保存先のMO別に五つのショートカット(パラメータ付きで柔軟な設定が可能)を作り、MOを入れ替えながら、一つずつクリックしてバックアップは終了である。本当に重宝している。
意外に狂いやすいPC時計に「ExTime」
PCの内蔵時計は、思ったより狂いやすい。おそらく、起動や終了時、またクラッシュしたときなどにラグが発生するのだろう。そこで時刻合わせが必要になるわけだが、この「ExTime」を使うと、インターネット上にあるサーバ時計にアクセスして、簡単にPCの内蔵時計を正確な時刻に修正することができる。同種のソフトがたくさん公開されているが、これもセンスのあるインタフェースや、時間を合わせたら自動的に終了してくれる点が、他より抜きん出ているので、セレクトの対象とした。
シンプル&軽快動作のPopup送受信サービス「IP Messenger」
「IP Messenger for Win32」は、サーバがなくてもWindowsマシン間やMacintoshとさえも簡単なメッセージのやりとりができるスグれもの。TCP/IPプロトコルを使っているので、基本的にはEthernetカードでそれぞれが接続されている環境だけでOKだ。NTを使わないWin−Macの接続で最も簡単なファイルのオンライン移動は、FTP転送を利用したもの(IP Messenger 自体にはファイル転送機能はありません)。すでにその環境を構築している人には、特にお勧めの拡張機能だ。フリーソフトながら、多くの支持を集めている。
※すべてWindows 95(98)で動作するソフトです。
【RealSync 1.67】
作者 : 吉本 龍司/種別 : フリーソフト/作者のホームページ/補足 : 98.12.22現在の最新版は1.68
【ExTime 0.2】
作者 : 熊田 健宏/種別 : フリーソフト/作者のホームページ/補足 : 98.12.22現在の最新版は0.3
【IP Messenger for Win32 1.34 rel-2】
作者 : 白水 啓章/種別 : フリーソフト/作者のホームページ/補足 : Windows 3.1用の「IP Messenger for Win16」、Macintosh用の「IP Messenger」(Mac用は K.Fujita さん作)もある