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シンプル&コンパクトながら“奥の深い”ドローツール
ADraw
Version 1.0
わかりやすいインタフェースを持つドローソフト。ツール類の使い勝手もよく、お絵描きツールとしてはかなり楽しめる。OS 8/System 7のウィンドウフレームなどのパーツを集めたライブラリも付属。メモリ500KB以上/256色以上と、さほど環境を選ばない点もうれしい。
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■こんな人にお勧め!!
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オーソドックスな作りで、ドロー系ツール初心者すべてにお勧めできる。
●手軽で簡単!
すべてにシンプルなので、ちょっとMacに慣れた人ならすぐにも使いこなせるドローソフト。塗りつぶし関係の描画ツールがないように思われるかもしれないが、ポップアップ式のパレットで塗りつぶしの有無を切り替えるようになっている。
図形の変形は、図形を囲む仮想の矩形の頂点と辺上にあるハンドルをドラッグして行う。このため、多角形の頂点を移動したり、フリーハンド図形で曲率を変更するといったことはできない。一方、角丸の矩形や扇型図形の場合、選択時に現れる黒丸のハンドルをドラッグすることで丸めの大きさを変えたり、扇の角度を変えたりできるのはわかりやすい。
直線のほか、矢印も使用することができ、矢印の位置も直線の始点側、終点側などに指定できる(ただし、矢印自体の形状や大きさは指定できない)。なお、折れ線を描くことはできない(多角形ツールを塗りつぶしなしで使えば、見た目では折れ線にも見える)。
●細かい部分にいろいろ配慮が!
こう書くとシンプルなだけのツールのようだが、複数のオブジェクトの位置を上下左右や図形の中心などに揃える機能があったり、ペンモードによって描画の効果を変えられるなど、意外にかなり奥が深い。もちろん、オブジェクトの上下関係の入れ替えやグループ化、ロックといったドローツールとしての基本的な機能もある。
操作性についてもよく考えられていて、ズームツール選択中のoptionキーによる拡大・縮小の切り替え、shiftキーによるコンストレイン(マウスの移動を垂直や水平などに強制する)といった一般的なキーコンビネーション操作以外にも、controlキーを押して一時的に選択ツールに切り替えたり、commandキーではスポイトツールに切り替えたりできる。また、ツールを二度クリックすると、描画後もそのツールを選択したままにすることもできる(普通は描画後、自動的に選択ツールに切り替わる)。
チャートの作成といった、ビジネスグラフィック的な使い方を求めるともっと機能がほしくなるが、そうではなくドロー系のお絵かきツールとして見れば、かなり使えそうだ。
(福住 護)
ソフト作者からひとこと
「ADraw」はPICTを扱う簡単なドローツールです。これまでいろいろプログラムは作ってきたのですが、そろそろ本格的なものを作りたいと考えたのが動機ですね。
ドローツールは市販のものがたくさんありますが、PICTデータを作ると「おまけ」でサイズが大きくなったりするので自分で作ってみました。苦労したのはテキストです。Macintoshの関数をそのまま使うと後ろが透明にならなかったり、ズーム時にも編集できるようにするためかなり時間をかけました。
今後はPICTを分解したり、イメージ(ペイント)を組み込む予定でいます。あと回転とかQuickTimeとかも取り込めたらいいな(^^)。使っていただいた感想をお知らせくださるとうれしいです。
(市村 卓治)
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