ソフトを開発しようと思った動機、背景
「doPDF」がリリースされたのは2006年ですから、ほぼ9年前のことです(インターネットタイムでの生存期間です:-))。その時点で私たちは有償の「novaPDF」をリリースしており、多くのユーザから好評を得ていましたが、一方でフリー版の要望も強くありました。そこでフリー版のPDF作成ソフトの開発に踏み切ったわけです。フリーの競合ソフトを研究した結果、すべてのソフトがサードパーティ製のライブラリ(Ghostscript)を使用していることがわかりました。しかし、これはユーザには面倒なことです。さらに、いくつかのソフトは商用利用を禁じていました。私たちのリリースした「doPDF」は、動作が軽快なこと、Ghostscriptを使っていないこと、そして商用利用も可能なことから、フリーのPDF作成ソフトとしては最もポピュラーなものの一本──フリーのPDF作成ソフトの作者としては最も有名──になることができました。
開発中に苦労した点
「doPDF」のリリースにあたり、すでにリリースしていた「novaPDF」と同じプラットフォームを利用したため、「novaPDF」の経験は大いに役に立ちました。競合ソフトが利用しているGhostscriptを使えば、PDF変換ライブラリを自作する必要もなく、非常に簡単だったと思います。しかし、私たちはサードパーティ製のツールを使うことは考えておらず、そのためにPDF形式のすべてを学び、自前のライブラリを作らねばなりませんでした。自前のライブラリを作り上げるまでには、実に長い時間が必要でした。
二番目に私たちが「doPDF」に対して行ったことは、一般ユーザのニーズにのみマッチしたソフトにしてゆくこと、最終的にはより少ないリソースで動作するアプリケーションにすることでした。
ユーザにお勧めする使い方
まず、アップデートチェック機能を有効にしておいてください。バグフィクスなどで新バージョンがリリースされた際に、すぐに問題が解決されたバージョンをインストールできるようになります。
もうひとつはPDFの利用目的を正しく理解していただきたいということ。最終的に印刷することが目的であれば、高精細のPDFを出力することが重要です。ファイルサイズは大きくなってしまいますが、品質はよくなります(加えてフォントを埋め込めばなおよい)。Web上でPDFを公開することが目的であれば、品質は落ちますが、ファイルサイズの小さくなるSmall Sizeオプションを指定してください。
今後のバージョンアップ予定
将来はオンラインで利用できるPDF作成サービスを実現できればと考えています。(可能であれば)Androidアプリもリリースしたいと思っています。
(Softland)