FTPクライアントソフトのユーザインタフェースといえば、ウィンドウを分割し、ローカル(パソコン側)とリモート(サーバ側)のファイルリストを並べて表示するスタイルが代表的。この場合、クライアントソフト上でローカル/リモート双方のファイル操作が完結しているわけだが、「Cyberduck」はこれとはまったく違っているところが大きな特徴だ。見た目は「リモートサーバ専用のファイル管理ソフト」といった感じで、ローカル側の操作はエクスプローラに任せているため、エクスプローラと「Cyberduck」との間でのドラッグ&ドロップがすなわち転送操作ということになる。
ローカル/リモートそれぞれを独立したウィンドウに表示できる上、ローカル側はふだん使い慣れたエクスプローラでの表示なので、日常的なファイル操作とほとんど同じ感覚でサーバを利用できる。
さらに「新規ブラウザ」を実行すれば、「Cyberduck」を複数起動して、異なるリモートサーバに同時にアクセスすることも可能。FTPサーバとGoogleドキュメントとの間でのドラッグ&ドロップを試してみたが、あたりまえのように実行できた。
クラウドストレージの利用がごく普通になりつつある現在、ことさらファイル転送を意識する必要のない、この自然な操作感覚こそが大きな魅力だ。
(福住 護)