キーの入れ替え(変更)ソフトというと、特定キーの割り当てを変更するソフトを思い浮かべる人が多いかもしれないが、「姫踊子草」では、キー配列そのものが置き換わる。したがって「姫踊子草」を使うと、入力方法自体が変わる。現在の一般的なかな配列が使いやすいかどうかの評価は置いておくにしても、そもそも入力方法がキーボードの仕様に限定される必要はないはずだ。したがって、かな入力時のキー配列がもっと大きな議論になってもよいような気はする。現状ではかなり上級者に限定されたマニアックな話題にとどまっているようで、これは確かに残念なことだ。
筆者が感心したのは、初期設定が簡単な五十音順配列になっていること。この配列が使いやすいかどうかはまたしても置いておくが、はじめてパソコンを触る人にとっても「配列はキーボードに印字してあるものが絶対ではない」「自分の使いやすい配列を使えばよい」ことを示しているからだ。こういうソフトがきっかけになって、キー配列に関する議論が一般的なものになればよいと思う。
(土屋 佳彦)