簡単な操作でHDR(ハイダイナミックレンジ)イメージを作成できるフォトレタッチソフト。搭載されたフィルタは100種類以上に上る。「Photo ReColor」は、明暗差の大きな写真画像を加工し、撮影時の“見た目”に近い状態を再現する「HDR」機能を搭載したフォトレタッチソフト。HDR処理を行うには通常、明るさの異なる複数枚の画像(RAWデータ)が必要だが、「Photo ReColor」では、1枚の画像からHDRイメージを作成することが可能。元画像のbit深度にかかわらず、内部16bitで処理され、画質を低下させずに編集を行える。対応する画像形式は、読み込みがFFF/BMP/CUR/DIB/EMF/EPS/GIF/ICON/JPEG/PCD/PCX/PNG/PSD/TGA/TIFF/WMF/ZIM/ZSK、書き出しがFFF/BMP/EPS/GIF/JPEG/PCX/PNG/PSD/TGA/TIFF。
HDRは、画像の中で陰になってしまって見えない部分(黒潰れ)をより明るく、明るすぎて画像が白っぽくなってしまった部分(白飛び)をより暗くするといった処理を行うもの。一般的に、適正露出で撮影された写真のほか、同じ構図で撮影された「より暗い画像」と「より明るい画像」の3枚の画像が必要となる。
「Photo ReColor」では「複数枚の画像が必要」という制限がなく、1枚の画像からHDR処理を行えることが大きな特徴。例えば、露出ミスなどの失敗画像にHDR処理を施すことで、写真を“救う”ことができる。
HDR機能のほかに、多数のフィルタを備えていることも特徴のひとつ。明るさ・コントラストやカラーバランスの補正、ノイズ除去、シャープネスの調整といった補正用のフィルタのほか、モノクロ化や油絵化、版画調などの(ペイント)アーティスト系フィルタなど、写真加工に必要な数多くのフィルタが用意されている。利用できるフィルタは計115種類に上り、レタッチソフト中でもトップクラスのバリエーションを誇る。
さらに、
- スランプや赤目補正といった、写真画像を部分的に変更する「補正」ツール
- 写真を部分的に切り抜いたり、拡大・縮小したり、別の写真と合成したりできる「レタッチ」ツール
- 写真に文字を挿入できる「文字」ツール
もあり、写真にさまざまな加工を施すことができる。HDRやフィルタは、(全自動で行われる補正以外は)ユーザがパラメータを設定して、効き具合を調整することが可能。この際、画面を分割して補正前/補正後の画像を比較したり、ワンタッチで補正前/補正後の表示を切り替えたりすることもできる。
補正時には、元画像のbit深度にかかわらず、内部16bitで処理され、計算精度に起因する画質低下が起こらないようになっている。デジタル一眼レフなどで使われるカラーマネジメント「AdobeRGB」や「ICCプロファイル」にも対応し、正確な色表示を保ったままで画像加工を行える。