「NavigationStudio」は、複数のページをリスト（ページ一覧）形式で管理する、MDI（マルチドキュメント）形式のWebブラウザ。“縦長のページを少しでも多く表示できる”よう工夫されている。ページの表示を行うエンジン部分にはIEコンポーネントを使用。基本的な操作の多くはIEと共通で、はじめてでも戸惑うことなく使える。選択中の文字列などをドラッグ＆ドロップで検索・保存できる「スーパードラッグアンドドロップ」などの機能も備える。

メイン画面は、上部にツールバー、左側にドッキングバー、右側にブラウザエリアが配置された、Webブラウザとしては一般的な構成。ドッキングバーには「お気に入り」「ページ一覧」「履歴」をリスト形式で表示させることができる。

「ページ一覧」は、タブブラウザの「タブ」部分をリスト形式で表示するもの。開いているページのタイトルが一覧表示される（設定により、タブで表示させることも可能）。複数のページを開いている場合でもクリックで簡単に切り替えることができ、ウィンドウが散らかることもなく、スマートにページを閲覧できる。そのほか、

• 「お気に入り」に登録されたページへの一括アクセス
• 表示中のページに含まれるリンクを抽出し（リンク抽出ツール）、次々にアクセスする（ブラウズマネージャー）
• ページのロックや自動更新

「検索バー」では、キーワード入力で、GoogleやYahooでWeb検索を行うことが可能。検索サイトはユーザが追加することもできる。さらに、Web検索で使用したキーワードをページ内検索用として使用するためのボタンや、ページ上で順番に検索するためのボタン、ヒットしたキーワードをマーカー表示するためのボタンなども用意され、Web検索とページ内検索とがスムーズに連携している。

「スーパードラッグアンドドロップ」というユニークな機能も備える。表示中のページ上でテキストやリンク、画像などをドラッグ＆ドロップすることで利用できる機能で、テキストの場合は検索バーへ入力してWeb検索を実行、リンクであれば新規ウィンドウを開き、当該ページを表示する。画像の場合は「名前をつけて保存」が実行され、保存用のダイアログが表示される。

そのほかにも、

• アドレスバー、検索バーなどの表示方法や履歴数の設定
• ショートカットキーやマウスジェスチャのカスタマイズ
• プロキシサーバの登録

その点、「NavigationStudio」のようなリスト形式の方がタイトルの視認性は高く、たくさんのページを開いて、その中から情報を探すような使い方に適しているといえそうだ（オプションで「タブバー」を表示させることも可能。その場合、タブ数が増えると幅が変化するのではなく、タブの「段数」が増えてゆくので、個々の視認性は変わらない）。

検索の利便性に並々ならぬこだわりが見えるのも、おそらく同様のコンセプトに根ざしたものだろう。検索バーでの「Webページ検索から、ヒットしたページ内での検索へ」、逆に「ページ内の文字列からWeb検索へ」と、双方向に連携が取られているので、情報を探すための手間はかなり省けそうだ。

ページ内のリンクを一括取得して一気にアクセスしたり、その際にネットワークに負荷をかけすぎないよう、制御できたりといったあたりにも、細やかな配慮が感じられる。

とにかく「どんどんページをブラウズして、どんどん情報を収集したい」という人に使っていただきたいブラウザだ。

開発中に苦労した点
Internet Explorerのバージョンが上がるたびに、いろいろな機能が追加されていくのですが、公開されていない機能もありますし、資料が英語しかないのは当然で、それでも見つけられないことも多いので、対応していくのが大変でした。

今後のバージョンアップ予定
主に機能改善と不具合対応になります。直したい部分がいろいろありますので、対応でき次第、公開していきます。また、新バージョンの開発も進めており、もう少しで試作を公開できると思います。