“気軽にPo!”とマンガを作れるソフト。多彩な機能を搭載し、まったく絵を描かなくても、レベルの高いマンガを簡単に作ることができる。「コミPo!」は、あらかじめ用意された人物などのオブジェクトを配置してゆくだけで、ユーザが絵を描かなくてもマンガを作成できる、マンガ専用のグラフィック作成ソフト。パーツを組み合わせるだけでマンガを作成できることから、開発元のウェブテクノロジでは“コミックシーケンサ”と呼んでいる。
マンガを作成するには、まず用紙タイプを選択する。選択できるのは、
- 新聞の4コママンガなどと同じスタイルの「4コマ用(縦長ハーフサイズ)」
- ページをフルに使うタイプの「4コマ(フルページサイズ)」
- 4コマに限らない「ページマンガ用」
の3種類(無料体験版では「4コマ用(縦長ハーフサイズ)」を1ページに限って作成できる。製品版では複数ページに及ぶマンガを作成することが可能だ)。用紙タイプの決定後は、各コマの中に人物や背景などの絵を描いてゆくのが一般的なマンガ作成手順だが、「コミPo!」では絵を描く代わりに、あらかじめ用意された人物や小道具のオブジェクトを配置することで画面を作ってゆく。人物や小道具は、3Dオブジェクトとしてプリセットされている。オブジェクトの大きさや位置はもちろん、向きも自由に変えられる。例えば人物なら、正面だけでなく、左右に向きを変えたり、後ろを向かせたり、横にしたり、逆さまにしたりすることも可能。顔や手足のデータも3D化されており、横を向かせたからといって、顔がおかしく見えるようなことはない。
初期状態で利用できる人物データは、男性が2名分、女性が3名分。(これで不足ならば)顔のタイプや髪型、瞳の色、髪の色、服装、アクセサリなどを組み合わせて、ユーザ独自のキャラクタを作成することもできる。人物のイメージを決定づける瞳の形などは、顔のタイプでかなり決まってしまうため、プリセットキャラクタとはまったく異なるキャラクタ──例えば老人など──を作れるわけではないが、逆にいえば、プリセットキャラクタと並べても違和感のない、絵柄が揃った状態でキャラクタを追加できるようになっている。
人物の配置と向きを決めたら、次にポーズと表情を設定する。ポーズも歩いたり、座ったりしているものなど、あらかじめ用意されたものから選択してゆく。用意されたポーズは、マンガでよく使われるもの約180種類あまり。ポーズによっては顔の向き(上下や左右)などをカスタマイズすることもでき、表現力は高い。手の形や持ち物などは、メガネやリボンといった装飾品とともに「パーツ」として選択できる。表情も同様で、眉の形、視線の向き、目の開き方、口の開き方など、パターン化されたものの中から使いたいものを選ぶ。喜怒哀楽さまざまなものが200種類以上も用意されている。
そのほか、机や椅子といった小道具や背景画像なども数多い。背景などは、ユーザが用意した画像を使用することも可能だ。
次に、マンガ特有ともいえるさまざまなパーツを配置してゆく。キャラクタの台詞を入れる吹き出しは縦書き用、横書き用など、さまざまなスタイルが用意され、サイズや位置などは自由にカスタマイズすることが可能。場面のイメージを端的に表す効果線や、環境音や雰囲気などを表現する「マンプ」、画面内にデザインされた文字を入れる「カキモジ」などを利用できる。
描かれるマンガは“3Dっぽい”ものではなく、かなり手描きに近い雰囲気のもの。個々のパーツはレイヤとして扱われ、レイヤごとに線の太さや塗りのイメージ、色調整などをフィルタとして設定できる。必要であれば、モノクロのマンガを描くことも可能だ。
表現力を増すためのポーズなどは、バージョンアップで随時、追加される。今後はオプションキャラクタの登場なども予定されている。