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Shade 12 Professional

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Shade 12 Professional
3D映像作成機能をはじめ、“過去最大級の機能追加”が行われた「Shade」の新バージョン
Windows 7/Vista/XP  製品:試用不可
Shade 12 Professional
  • メイン画面。すべての要素が1ウィンドウ内に配置されたシングルウィンドウ方式になった(マルチウィンドウ方式を選択することも可能)

  • ◎そのほかのスクリーンショット
  • 専用ハードウェアがなくても、アナグリフ方式で立体視を利用することが可能
  • ボリュームレンダリング機能により、雲などの表現も容易になった

  • 操作性やレンダリング品質の高さなどで定評のある3D CGソフト「Shade」シリーズの新バージョン。3D(立体視)映像作成機能などが追加され、従来以上に表現の幅が広がった。

    「Shade」は、“3D CGのすべての工程をパーソナルな環境で実現できる”統合型3D CGソフト。ホビーから映像制作、建築分野まで、幅広く利用される“定番”ソフトだ。前バージョン「11」から約1年ぶりのバージョンアップとなった「12」では、「3D(立体視)映像作成」機能が追加されたほか、半透明物などの表現に必要な「サブサーフェススキャタリング(SSS)」を標準レンダラーとして搭載。雲や煙などの表現に利用できる「ボリュームレンダリング」も追加された。さらに、編集しながらレンダリング結果をリアルタイムで確認できる「プレビューレンダリング」なども利用できるようになり、“過去最大級の機能追加”が行われた(編集部注:本稿は「Shade 12 Professional」を対象にまとめられています)。

    なかでも最も注目すべきは「3D(立体視)映像作成」機能の追加。従来は、実際に画面に表示される際には、3Dオブジェクトを2D平面に投影した透視図であったが、新バージョン「12」では、3D立体視可能な形で表示されるようになり、3Dモデルの作成から表示までが「3D対応」となった。

    3D表示方式は、赤青メガネを用いるアナグリフ方式およびNVIDIA 3D Visionに対応。モデリング作業中はいつでも、コントロールバーのボタンクリックだけでメイン画面が赤青のアナグリフ表示に変わり、赤青メガネをかければ、そのまま立体視できるようになる。さらに、3D Vision対応のビデオカードとディスプレイがあれば、アナグリフ方式と同様、いつでも画面を立体視映像に切り替えることが可能。(アナグリフ方式と異なり)3D Visionではオブジェクトの色も再現され、フルカラーで3D編集を行うことができる。

    編集時だけでなく、編集結果をレンダリングする際にも、立体視可能な画像として出力することが可能。レンダリング結果はビューウィンドウで確認できる。ビューウィンドウでは、アナグリフや3D VISIONのほか、平行法、交差法といった裸眼立体視可能な状態での表示にも対応。特別なハードウェアがなくても、立体視によるレンダリング結果を確認できる。

    レンダリング結果は、BMP/JPEGといった一般的な2D画像形式での出力だけでなく、多くのベンダで採用される3D画像データ形式「MPO」で出力することが可能。作成した画像を「Shade 12」以外の3Dビューアや3Dフォトスタンド、3Dテレビといった3D表示デバイスで楽しむことができる。

    3D立体視機能以外にも、「12」では数多くの機能が追加・強化された。「プレビューレンダリング」もそのひとつ。従来は、編集作業中の最終的な立体表示にはワイヤフレームによる透視図が使われていたが、「12」では(レンダリング出力時と同様の)陰面消去や表面処理などが行われたレンダリング画像として表示できるようになった。表示される画像はあくまでプレビュー用のレンダリングで作成されたものだが、背景画像の設定や光源位置の設定なども反映され、最終レンダリング結果のイメージを掴みやすい。プレビューレンダリングは、特にユーザが指示しなくても自動的に実行される。レンダリングが終了していなくても、編集作業はそのまま継続することが可能で、何度もレンダリング画面と行き来することなく、効率よく編集を行える。

    モデリング機能も強化された。2D画像を曲面に貼り付けるだけで複雑な起伏を表現できる「ディスプレイスメントマップ」は従来、自由曲面に対してのみ適用可能だったが、「12」では球やポリゴンといった他の種類の立体にも適用できるようになった。大まかな形状と2D画像を作成するだけで、複雑な形状を表現できる。

    「ボリュームレンダリング」は、雲や煙など、体積を持つ複雑な形状を表現する際に便利な機能。基本となる形状は、大小さまざまな球体をランダムに配置して作成する。通常のレンダリングでは、これらに対して表面材質を指定しても、形状は球の集まりとしかならないが、体積を持つ表面材質である「ボリュームレンダリング」では、球ではない複雑な形状に変化する。あとはソリッドテクスチャとして、例えば「雲」を指定すれば、実感的な雲の形状を簡単にモデリングできる。

    そのほか、ブーリアンレンダリングにはリアルタイムプレビュー対応機能が強化され、さらに従来は外部のレンダラーが必要だった「サブサーフェススキャタリング(SSS)」機能は内部レンダラーに標準搭載されるなど、モデリング/レンダリング機能の強化点も数多い。

    3D立体視への対応など、他のアプリケーションとの連携にも配慮され、複数のサブウィンドウを自由に配置・操作するマルチウィンドウ方式から、すべての要素をひとつのウィンドウ内に配置したシングルウィンドウ方式のユーザインタフェースが導入された。ただし、従来の操作性に慣れたユーザ向けに、マルチウィンドウ方式のインタフェースに切り替えられるようになっている。

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    reviewer's EYE reviewer's EYE
    このところ、さまざまな分野で「3D」対応の話題が増えてきた。映画館での3D上映はもとより、家庭用テレビでの3D表示、デジタルカメラでの3D撮影・表示、同じくビデオカメラでの3D動画など。もちろんパソコンの世界でも、Blu-ray 3Dの再生や3D対応デジタルカメラのデータ表示・編集など、さまざまな分野のソフトが3D立体視に対応しつつある。

    では、3Dの本家本元ともいえる「3D CGソフト」はどうか。これまで、いわゆる3D CGソフトといわれるものは、3次元の立体形状をモデリングして、これをレイトレーシングやシェーディングといったレンダリングにより、最終的に2Dの投影図を作成するというものが多かった。要するに、3Dのデータを作成・利用はできるが、最終的な出力は2D図形であることが多かった。

    その3D CGソフトもついにその3D立体視を取り込んできた。それが「Shade 12」だ。「Shade 12」の3D立体視機能は大きくわけて二つ。編集時の3D立体視と、最終レンダリング結果の3D立体視表示機能だ。もともと作成するデータが3Dデータなのだから、最終出力の3D表示ができるのは当然として、編集時にも3D立体視が可能なのは大きい。従来の3D CGソフトは、作成するデータは3Dデータでも編集画面は2D表示。3D編集に必須となる奥行き方向の指定方法として、三面図や透視図などを使わざるを得ず、どうしても苦しい点があった。

    編集画面が3Dになったことで、今後、モデリングはどのようになってゆくのだろうか。「Shade 12」は、3D CGに興味がある人には、ぜひとも体験してほしいソフトだ。

    (天野 司)


    ● Shade 12 Professional Ver.12.0.0
  • 作 者 : (株)イーフロンティア さん
  • 対応OS : Windows 7/Vista/XP
  • 種 別 : 製品:試用不可
  • 作者のホームページ : http://www.e-frontier.co.jp/
  • 補 足 : ライセンスの購入は「Shade 12」ダウンロード・お支払いページから行える。Professional版のほかにBasic/Standardの各エディション、さらにそれぞれのMac OS X版もある。作者のホームページでは、30日間試用可能な体験版をダウンロードできる。体験版のレンダリング解像度は480×480までで、「Shade」ロゴが付加される


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