ソフトを開発しようと思った動機、背景
回転体というと、中学校で数学の時間に少しだけ「ある平面図形を回転軸の周りに回転させると、どんな立体ができるか」を勉強したことを思い出す人も多いでしょう。このソフトを作りはじめたきっかけも、 MS-DOS全盛の時代に、中学校の数学の授業で使う教材にしようと思ったことです。幸い、生徒たちにも喜んで使ってもらいました。やがてWindowsの時代になって、このソフトをWindowsに移植しようと思い、はじめてのWindows用のソフト作りとして取り組みました。開発中に苦労した点
プログラミングで図形をウィンドウの中に描く方法は一から勉強して、試行錯誤をしながら、プログラムを書き進めました。位置や形は立体として表示できるようにはなりましたが、最後まで残った問題は「どうしても立体的に見えない」という情けないことでした。そこで、表面の各部分が光源へ向いている角度を利用して、各部分の明るさを計算するようにすると、格段に立体感がよくなりました。
ユーザにお勧めする使い方
学校で、パソコンを使った数学の授業にも使いやすいと思います。しかし、ひと言で言えば「3Dグラフィックスを手軽に楽しめるソフト」ですので、数学にはこだわらず、気軽にこのソフトで遊んでいただきたいとも思っています。「立体の画像を作る」というと難しそうですが、このソフトではお手軽に楽しめます。
回転させる平面図形の編集画面は機能が豊富です。ごく簡単にマウスで図形を編集できます。単純な平面図形を回転させても、意外に幻想的な美しい立体画像が得られます。Excelを利用して平面図形の座標を精密に計算し、そのデータを読み込んで、その平面図形を回転させた立体を、このソフトで正確に表示することもできます。
今後のバージョンアップ予定
いまは本業とプログラミングの時間確保の調整がうまくいきませんが、来年の秋ごろからは、何とかできそうです。バージョンアップの方向として現在考えているのは、立体表示のオプション設定を、メニュー頼みではなく、もっとグラフィカルな操作で使えるようにすることです。ゆくゆくは、表面の模様(テクスチャ)を表示したい、とは思っていますが、そこまでできないかもしれません。
(黒田 英雄)