次元の扉をめぐる教会の思惑に翻弄される神官たちの運命は……？

「天と地の狭間 〜叛逆の天使〜」は、人間と魔物が共存し、“魔法”が当たり前のように使われている世界を舞台にしたファンタジーRPG。魔法の力は人々の生活を豊かにしたが、争いも生んだ。魔法は七つの教会によって管理されていたが、より強力な魔法を求め、教会同士の間で熾烈な戦いが勃発する。争いに敗れた教会は衰退し、最終的に三つの教会が生き残ることになる。三教会は協定を結び、ようやく世界に平和が訪れた。

主人公の青年「クサナギ」は、三大教会のうちの一つ「エンヴ教会」に仕える剣士。クサナギは、同じくエンヴ教会に仕える神官戦士の少女「ルカ」や、初老の魔術師「ヨルマー」とともに、各地で活発化している魔物の調査を行っていた。ある日、三人はエンヴ教会の司祭から、南の砂漠にある大きな塔「ネクロスの塔」の調査を命じられる。内部の様子を確認するため、塔へ向かったクサナギたちは、そこで禍々しい邪気を発する黒い影に出くわし、いったん教会へと避難する。

あらためて体制を整え、黒い影を倒す決意をしたクサナギたちは、教会が守り続けている「宝玉」を司祭から渡される。宝玉は「次元の鍵」と呼ばれ、現在の世界と異なる世界とをつなぐ鍵だといわれている。三大教会はそれぞれ宝玉を持ち、その宝玉を守るよう義務づけられているという。司祭によると、次元の鍵で掛かっていた扉が開きつつあり、その隙間から魔物が出てきているのではないかとのこと。司祭から「扉がどのような状況になっているのか確かめてきてほしい」と頼まれたクサナギたちは早速、「東の塔」にある、次元をつなぐ扉を目指す……。

スキルや魔法攻撃を駆使して敵を撃破！　戦うことで武器を磨き上げよう

ゲームはダンジョン探索タイプのRPG。拠点となる街ではセーブや回復、装備品・アイテムの購入を行うことができ、街で準備を整えてダンジョンへと向かう流れになっている。ダンジョンでは基本的にセーブすることはできず、特定のポイントでのみセーブを行うことが可能。セーブポイントのほかに、回復ポイントも用意されている。

ダンジョン内の戦闘は、ボス戦などの特定イベントを除いて、ランダムエンカウントバトル形式となっている。敵にエンカウントするとバトルに突入し、物理攻撃やスキル＆魔法攻撃を駆使して魔物と戦ってゆく。魔法の使えないクサナギは剣技というスキルを、また魔術に長けたヨルマーはさまざまな属性攻撃魔法を使うことが可能。神官戦士のルカは補助魔法が得意で、HPを回復したり、状態異常を治したりする魔法を使える。

攻撃には属性の概念があり、「炎」「水」「雷」「風」など、さまざまな属性が存在する。相手の防御属性と反対の属性で攻撃するとダメージが増加し、防御属性と同じ属性で攻撃するとダメージが減少する。スキルや魔法攻撃と同様、属性攻撃は戦う上で非常に有効な手段。戦闘の際は敵の属性に注意したい。

反面、キャラクタは非常に個性的だった。特に主人公「クサナギ」の天然っぷりと、「ルカ」の少々奔放すぎる言動にはハラハラ（？）したものだ。しかし、個人的に一番注目してほしいキャラクタは、初老の魔術師「ヨルマー」。一見お堅い常識人だが、口を開けばすっとぼけたじいさんで、ルカとの漫才のようなやり取りには何度も吹き出しそうになった。シリアスなストーリーにもかかわらず、イマイチ緊張感に欠けるクサナギ、ルカ、ヨルマーの会話にはぜひ注目していただきたい。

戦闘に関しては、レベル上げさえしっかりすれば、詰まることはないだろう。ボス戦も無理のない難易度で、ストレスを感じることはなかった。またキャラクタの特徴を把握しながら、どの能力を強化するか、あれこれ考えてキャラクタを育成してゆく過程も非常に楽しかった。だいたい8時間から10時間程度のプレイ時間で、しっかりとRPGのおもしろさを堪能することができる。「あまりに長時間のプレイはきついが、おもしろいRPGを手軽に遊びたい」という人にお勧めしたい作品だ。

開発中に苦労した点
自分の考えたストーリーをRPGでいかに表現するかに苦労しました。あまり複雑なストーリーでは意味がわからなくなってしまいますし、単純すぎては面白味がありませんので、そのあたりの調整が難しかったです。そのほかには「どうすれば楽しく遊んでもらえるか」を常に考えました。

ユーザにお勧めする遊び方
これはユーザさんにおまかせします。あまりやり込まない方は、まっすぐにストーリを楽しんでもらいです。やり込み派の方は、おまけダンジョンを極めてみてください。楽しんで遊んでいただければ、うれしいです。

今後のバージョンアップ予定
不具合や要望があれば、できるだけ取り入れたいと思います。