新たにアップコンバート機能を搭載した「MovieGate」シリーズの新バージョン。「MovieGate」は、パソコンで使われるさまざまな形式の動画を、他の形式に変換するためのソフト。数多くの動画形式に対応しながら、アイコンが多用されたわかりやすいインタフェースで、はじめてでも簡単に操作できるのが特徴。新バージョン「4」では、低解像度の動画を高解像度に変換する際に、画質を向上させるアップコンバート(画面拡大)機能が追加された。「ArcSoft SimHD」技術で、クリアな画質の動画に変換できる。GPGPUにも対応する。
変換操作は非常に簡単。(1)(変換後の)動画形式を選択し、(2)変換対象のファイルを指定して、(3)変換を実行するだけでよい。動画形式の選択は「iPhone」「iPad」「PSP」など、「再生する機器」を指定して行う。ハードウェアや動画形式に関する詳しい知識がなくても、最適な設定を選べる。
(必要であれば)ビットレートや画面サイズといった詳細なパラメータを指定することも可能。あらかじめ登録されたプロファイルにはモバイル機器向けのものが多いが、パソコン用のファイルに出力する場合には、1920×1080といったハイビジョン解像度も選択できる。
次に、変換対象のファイルを指定する。ファイルの指定は、メイン画面にドラッグ&ドロップするだけで完了する。複数のファイルをまとめてドラッグ&ドロップすることも可能。メイン画面内に表示された機器アイコンにドロップすることで、(そのときに選択されている出力形式にかかわらず)直接、当該機器向けの形式に変換できるようになっている。
変換元のファイルとして利用できるのはAVI/WMV/MKV/QuickTime/Realなど。Windowsで再生可能なほとんどの形式に対応する。対応コーデックも数多く、MPEG-1/2はもちろん、H.264などの最新コーデックの動画も読み込むことができる。
ファイルのほか、DVDやAVCHDなどの動画ディスクから変換することも可能。ディスクからの変換では、ディスク全体を一括変換できるほか、チャプターやタイトルで範囲指定をして変換することも可能だ。
変換で注目したいのが、低解像度から高解像度へと画像を変換するアップコンバート機能。単に画像を拡大するだけでなく、シャープネスや色彩、コントラストなどを自動的に調整し、より高画質な動画に変換できる。ソフトウェアDVD/BDプレイヤー「Arcsoft BD Theatre」にも搭載された「ArcSoft SimHD」技術によるもので、DVDなどの動画でもハイビジョンに迫る画質が得られるほか、携帯電話などで撮影された動画を大画面で視聴する際にも違和感の少ない映像を得ることができる。
高速な変換も特徴のひとつ。「MovieGate 4」では、Intel Core i7などの最新マルチコアCPUに対応するほか、NVIDIA CUDAやATI StreamといったGPUの演算機能を用いた高速エンコード(GPGPU)にも対応。対応グラフィックカードが必要だが、条件によってはCPUだけでエンコードした場合の2.5倍もの速度でエンコードできるという。
そのほかにも、
- 動画共有サイト「YouTube」から動画をダウンロードし、自動的に「MovieGate 4」に登録・変換する「Video Downloader」
- 特定のフォルダを常時監視し、新しいファイルがフォルダ内に置かれた時点で自動的に変換を開始する「フォルダ監視」
などの機能を搭載する。