リアルタイムアップコンバート機能を搭載したソフトウェアDVD/Blu-rayプレイヤー。再生時のCPUの負荷をグラフィックボードに代替させるGPGPUにも対応する。「ArcSoft BD Theatre」は、Blu-ray DiscやDVD-Video、動画ファイルなどをパソコンで再生できるマルチメディアプレイヤー。DVD-VideoのHD/Full-HD画質へのリアルタイムアップコンバート(画面拡大)やGPGPU対応のほかにも、3D映像の再生(別途プラグインが必要)やDXVA(DirectX Video Acceleration)への対応、ロスレスサウンド7.1チャンネルオーディオへの対応など、さまざまな機能・特徴を備える。タイムストレッチやペアレンタルコントロールなども利用でき、再生関連機能も多彩だ。
大きな特徴のひとつがGPGPUへの対応。グラフィックチップ(GPU)の再生支援機能を利用して、動画を再生できる。NVIDIA「CUDA」またはATI「Stream」対応のGPUを搭載したパソコンであれば、(CPUパワーが低くても)無理なくHD解像度の動画コンテンツを楽しめる。
3D機能も特徴のひとつ。「ArcSoft BD Theatre」では、3D対応プラグインを組み込むことで、Blu-ray 3Dなどの3Dコンテンツを再生することが可能。静止画を3D表示することもできる(3D再生には、ディスプレイやグラフィックカードなどの対応ハードウェアが必要)。
一般的なBlu-rayプレイヤーソフトでは見られない機能に、ハードディスク内に構築されたディスクイメージを直接再生できる「BDフォルダ再生」がある。いったんメディアに書き込まなくてもハードディスクから直接再生することが可能で、BDオーサリング時のチェックなどに便利だ。
DVDの再生時に、HD解像度にリアルタイムアップコンバートするのが「ArcSoft SimHD」技術。DVDは通常720×480pixelのSD解像度で収録されており、単にHD解像度に拡大しただけでは、斜め線などがガタガタになる「ジャギー」が目立つ。「ArcSoft SimHD」では、リアルタイムに画像を加工することで、ジャギーが目立たない状態で拡大できるほか、解像度感も向上させる高画質なアップコンバートを行える。「ArcSoft SimHD」では高解像度化のほか、コントラストや色調整なども行われ、映像がより“くっきり”と見えるようになる。
音声の再生では、Dolby Digital+やDolby TRUEHD、DTS、DTS-HDなど、Blu-rayで使われるさまざまな形式に対応。5.1chなどの多チャンネル音声再生も楽しめる。さらに、DTS Surround Sensationにも対応し、2チャンネルヘッドフォンや2チャンネルステレオスピーカーでも、DTS 5.1/6.1/7.1chといった多チャンネル音声を仮想サラウンドとして再生することが可能だ。
動画ファイルの再生では、MPEG-1/2やWMVはもちろん、MPEG-4 AVC/DiVX/VC1/QuickTimeなど、さまざまなコーデックに対応する。コンテナ形式もAVI/ASF/MKV/3GP/3G2/MOVなど、パソコンで再生可能な形式のほとんどをカバー。インターネット上の動画を再生する場合などにも便利に使える。
DLNAクライアント機能もある。ネットワーク上のDLNAサーバのコンテンツを選択して再生することも可能(ただしDTCP/IPは未対応)で、ディスクの再生だけではなく、さまざまなスタイルで動画再生を楽しめるようになっている。
規格は、BDMV(市販のBlu-ray動画ソフト)/BDAV(家庭用レコーダなどで録画されたBlu-rayメディア)の双方に対応。Blu-ray Disc Profile 1.0、Bonus View、BD-LiveといったBlu-rayのインタラクティブ機能にも対応し、市販Blu-rayソフトの機能を余すところなく楽しめる。ディスクライブラリ管理機能や、BD-Liveによってダウンロードされたコンテンツの管理機能なども搭載。HDコンテンツの再生では、Blu-ray Discのほか、AVCREC、AVCHD、SuperVideoCDなどにも対応する。