統合型CD/DVD/BDライティングソフト「Roxio Creator」シリーズの新バージョン。3D動画関連機能が大幅に強化され、2D動画の3D動画への変換・編集などが可能になった。「Roxio Creator」は、データ・音楽・動画ディスクの作成から動画の編集まで、書き込み型光ディスクに関する作業のすべてに対応したマルチメディアアプリケーションスイート。ライティングやDVDオーサリング、ディスクコピーなど、ディスクの作成に直接関連する機能はもちろん、AVCHDカメラやYouTubeなどから動画を取り込む(ダウンロードする)「データ収集」や、動画データを変換してメディアプレイヤーに転送する「データ活用」などの機能も用意され、幅広く対応する。新バージョン「2011」では、3D動画関連機能が強化されたほか、ビデオカメラで撮影された動画の手振れ補正に対応したり、ワンクリックで動画を回転できるようになったりなど、多数の機能追加・強化が図られた。
3D動画関連機能の強化は「ただ単に3D動画を再生する」だけといった単純なものにとどまらない。動画の取り込みから加工・出力まで、3D動画に関するさまざまな機能が強化された。新バージョン「2011」で搭載された3D動画関連機能は、
- 既存の2D動画を3D再生対応の動画に自動変換
- 既存の3D撮影可能なデジカメデータの取り込み
- 3D動画の直接編集
- 3D対応DVDの作成
- 付属のプレイヤーソフトによる3D動画の再生
- 2D DVDをリアルタイムで3D変換しながら再生
- 3D写真(静止画)の作成
- Blu-ray 3D対応ソフトの再生(別売オプションが必要)
などと多彩。これら3D動画関連機能の中核となるのが、動画編集ソフト「Roxio VideoWave」。旧バージョンから搭載されているが、「2011」では、従来の2D動画編集機能はそのままに、取り込みから出力まで、すべてのステップで3D動画に対応した。パソコンで使われる3D動画形式にはさまざまなものがあるが、「Roxio VideoWave」の動画インポート機能は、特定ハードウェア向けのものも含め、数多くの形式に対応する。例えば、富士フイルム製「FinePix 3D」専用の3D動画形式ファイルも取り込むことが可能だ。
2D動画を3D動画に変換してインポートすることも可能。3D編集モードで動画をインポートすると、最初に2D動画か3D動画かが問われる。2Dを選択すれば、動画は自動的に3Dへと変換され、他の3D動画と組み合わせて編集できるようになる。2D/3D変換では、単に形式の変換を行うだけでなく、動画の動きに応じて立体感も自動的に付加されるため、既存の3D動画と組み合わせて編集しても、違和感が出にくい。
3D編集モードでは、プレビュー画像を3D表示にすることもできる。ウィンドウ状態でのプレビューでは、赤青メガネを使った「アナグラフ表示」に、またフルスクリーンプレビューでは、アナグラフ表示に加え、偏光シャッター方式やDLP方式などを用いた、ハードウェアによる3Dプレビューにも対応する(ただし、いずれも3D表示可能なハードウェアが必要)。3D環境がない場合は「左目用、右目用画像のみでプレビューする」といったこともできる。
編集結果のファイルも、もちろん3D動画で出力することが可能。出力時の3D動画形式は9種類から選択することができ、他の3D動画編集ソフトや再生ソフトと併用する場合でも、「Roxio Creator 2011」側でファイル形式を合わせることができる。
「Roxio Creator 2011」では、「Roxio VideoWave」のほかにも、動画再生ソフト「CinePlayer」やDVDオーサリングソフト「MyDVD」で3D動画への対応が図られた。「CinePlayer」は、「Roxio VideoWave」や他のアプリケーションで作成された動画、3Dデジタルカメラで撮影された3D動画を再生できる。2D DVDをリアルタイムで3D変換しながら再生することも可能。「MyDVD」では、それらの動画を使って3D再生可能な動画を収めた「3D DVD」や、HD解像度にも対応した「3D AVCHD」ディスクを作成することができる(3D対応DVDオーサリング)。