動作速度が各段に向上した「Parallels Desktop for Mac」の新バージョン。SpotlightでWindowsのプログラムを検索できるようになるなど、Macとの親和性はさらに高くなった。「Parallels Desktop for Mac」は、Intel CPU搭載のMacで他のOSを動作させることができる仮想化ソフト。Mac OS X内に構築した仮想マシン環境でゲストOSを動作させることで、1台のMacでWindowsやLinux OSを使えるようになる。他OS上のアプリケーションを、Macを再起動させることなく、快適に利用できるのが特徴。複数(最大8台)の仮想マシンを構築し、切り替えながら使うこともできる。新バージョン「6」では、動作速度に加え、3D描画性能も大幅に向上。さらに、5.1chサラウンド音声に対応するなど、数多くの機能強化が図られた。
設定は簡単。初回起動時に表示される、環境を構築するためのインストール画面の手順に従って設定してゆけばよい。仮想マシンの作成から、ゲストOSのインストール、起動、セットアップまでが完了する。他の仮想マシン環境からのインポート機能もある。すでに存在する環境(VMware、Microsoft Virtual PC、VirtualBox)を自動検出し、変換して取り込むことができる。
ゲストOSのインストール時には、ビデオ、サウンド、ネットワークなど、仮想マシン上で必要になるデバイスドライバが自動的に組み込まれ、Macに接続されたキーボードやマウス、ネットワーク、スピーカなどを使えるようになる。さらに、異なるOS間の連携を取り、シームレスな使用環境を実現するためのユーティリティ「Parallels Tools」により、MacとゲストOS間、またはゲストOS間で、OSの違いを意識することなく、共有フォルダやクリップボード、ドラッグ&ドロップなどの操作を行える。
仮想マシンの動作環境(表示および操作方法)は5種類。ユーザの目的や好みで選べる。
- ウィンドウ──ゲストOSを1ウィンドウ内で操作できる。デスクトップ全体をMacの1ウィンドウとして表示する
- フルスクリーン──ゲストOSだけをMacのディスプレイで操作できる。仮想OSをMacの全画面に表示する
- コヒーレンス──ゲストOSのアプリケーションを直接操作できる。ゲストOSのデスクトップが消え、アプリケーションウィンドウを個別にMacのデスクトップ上に表示する
- クリスタル──コヒーレンスモードと同様、ゲストOSのアプリケーションを直接操作できる。ただし「Parallels Desktop for Mac」のメニューバーはなく、アプリケーションのメニューが各ウィンドウごとに表示される
- モダリティ──ウィンドウモードと同様、ゲストOSを1ウィンドウで表示する。ただし常に最前面に置かれ、Macの操作中には透過ウィンドウで表示される
新バージョン「6」では、基本的な仮想マシンの性能が大幅に向上。Windowsの起動は41%速くなった。さらに「5」で対応済みのWindows OSのDirectX 9.0c/9Ex(Shader Model 3)に加え、新たにWindows XP/Vista/7の5.1chサラウンド音声にも対応。3Dグラフィック描画性能も大幅に強化され(コヒーレンス、フルスクリーン、ウィンドウの各モードで約80%高速化)、Windowsの3Dアプリケーションやゲームを一層快適に楽しめるようになった。そのほか、iPhone/iPod/iPad用のリモートアクセスソフト「Parallels Mobile」も搭載された。「Parallels Mobile」を用いることで、外出先などでiPhone/iPod/iPadから仮想マシンにアクセスしてコントロールできるようになる。