高度な解析機能と豊富なフィルタとで、迷惑メールを防いでくれるソフト。迷惑メールのタイプに応じて、さまざまな処理方法を選べる。「Patriot迷惑メール迎撃システム」は、大量に届くスパムメールの振り分け作業を効率化したり、危険なメールを事前に除去したりしてくれる迷惑メール対策ソフト。最新の迷惑メールデータを自動的に取得して、効率的に迷惑メールを処理できるほか、カスタマイズが可能な全15種類のフィルタにより、きめ細かな対策を施すことができる。統計情報の表示機能や、迷惑メールの内容を確認できるビューア機能なども備える。
「Patriot」を使用するには、まず「Patriot」側の設定として受信用メールサーバを指定する。通常使用するメールソフトも、本来のメールサーバの代わりに「Patriot」のIPアドレスを登録しておく。外部から送信されたメールは、いったん「Patriot」でフィルタ処理が行われ、許可されたメールあるいは件名に文字が付加された迷惑メールのみがメールソフトに届く。設定が正しく行われているかどうかを確認するための専用テストツールも付属する。
迷惑メールの処理方法は、
- 自動的に削除する
- 指定した迷惑メール用フォルダに移動する
- 件名に特定の文字列を加えた上でメールソフトに渡す(メールソフト側のフィルタ機能で処理する)
- 次のフィルタでさらにチェックする(次のフィルタがない場合はメールソフトに渡す)
の4種類。迷惑メールと判定された理由に応じて、処理方法を選べるようになっている。「指定した迷惑メール用フォルダに移動」されたメールは、付属のメールビューアを使って、一覧を印刷したり、メールの印刷や再配信などを行ったりできる。「Patriot」が処理したメールはすべてログに記録され、メイン画面の「全着信メール一覧」に「受信」または「撃墜」のステータスとともに表示される。さらに「撃墜迷惑メール一覧」では、迷惑メールと判定されたものの一覧が判定理由付きで表示される。統計機能では、全着信数と迷惑メールの数を日付別や月別のグラフで閲覧できるほか、判定理由別や送信元別のメール数をグラフで確認することも可能だ。
ユーザがカスタマイズ可能なフィルタ設定は、大きく「単純フィルタ設定」「メールヘッダフィルタ設定」「件名フィルタ設定」「本文フィルタ設定」に分けられる。「単純フィルタ設定」に含まれるのは、
- ホワイトリスト設定
- 受信拒否メールアドレスリスト設定
- 送信元アドレス ドメイン国別コードフィルタ設定
- フリーメールアドレス ドメインフィルタ設定
- 本文がURLだけのメールフィルタ設定
- 本文漢字コードフィルタ設定
- 添付ファイルフィルタ設定
- 本文中のリンクURLフィルタ設定
の8フィルタ。「送信元アドレス ドメイン国別コードフィルタ設定」は、国別コードや.com/.netといったトップレベルドメインで判定するもの。特定の国/トップレベルドメインからのメールをフィルタ処理する。「フリーメールアドレス ドメインフィルタ設定」はフリーメールサービスのドメイン、「本文がURLだけのメールフィルタ設定」は本文の文字コード、「添付ファイルフィルタ設定」は添付ファイルの拡張子で判定する。メールのヘッダを解析して判定する「メールヘッダフィルタ設定」には、
- メールヘッダ妥当性チェックフィルタ設定
- 国別IPアドレス許可フィルタ設定
- ブラックリストフィルタ設定
の3フィルタが含まれる。「メールヘッダ妥当性チェックフィルタ設定」「ブラックリストフィルタ設定」では、判定の厳格度を指定することが可能。「国別IPアドレス許可フィルタ設定」は国別コードによる判定だが、「送信元アドレス ドメイン国別コードフィルタ設定」が送信者情報による判定なのに対し、IPアドレスで判定する点が異なる。件名に特定の文字が含まれるメールを処理するための「件名フィルタ設定」は、
- システム定義NGワードフィルタ設定
- ユーザ定義NGワードフィルタ設定
の2フィルタ。「システム定義NGワードフィルタ設定」では厳格度を、また「ユーザ定義NGワードフィルタ設定」では、拒否する文字列と許可する文字列をそれぞれ指定できる。「本文フィルタ設定」も、
- システム定義NGワードフィルタ設定
- ユーザ定義NGワードフィルタ設定
の2フィルタ。メール本文に含まれる文字列を判定するもので、「システム定義NGワードフィルタ設定」では厳格度を、「ユーザ定義NGワードフィルタ設定」では、具体的な任意の文字列を指定することが可能だ。特に指定しなくても、基本的なフィルタが動作して迷惑メールを処理してくれるが、これら15種類のフィルタを指定することにより、判定の精度を高め、より使いやすいものにすることができる。そのほかにもソフト全体にわたる基本設定として、
- 受信メールのログを保存する日数の指定
- 迷惑メールの最新情報を取得するタイミングの指定(「Patriot」の起動時など)
- ユーザからの迷惑メール情報収集の可否の選択
などを行える。