ドロー、ペイント、レタッチなど、グラフィックデザインに必要なすべての機能が揃った統合グラフィックソフト。「CorelDRAW Graphics Suite」は、ベクターグラフィックの作成・編集ソフト「CorelDRAW」を中心に、フォトレタッチ/ペイントソフト「Corel PHOTO-PAINT」、ビットマップ画像の輪郭をトレースし、ベクターデータを作成する「Corel PowerTRACE」、デスクトップや他のアプリケーションの画面などをキャプチャする「Corel CAPTURE」などがセットになった高機能グラフィックスイート。新バージョン「X5」では、素材検索・管理アプリケーション「Corel CONNECT」が追加されたほか、カラーマネージメントエンジンの強化なども図られ、従来以上に使いやすくなった。
「Corel CONNECT」は、「CorelDRAW X5」などで使用するグラフィック素材を、サムネイル形式で管理するための“素材収集アプリケーション”。ローカルディスク内のビットマップ/ベクター形式の画像ファイルやテンプレートなどを検索し、管理することが可能。ユーザが所有する画像類はもちろん、「CorelDRAW Graphics Suite (11〜X5)」の付属コンテンツとして含まれる画像やクリップアート、テンプレートなどを管理することもできる。
ローカルディスクだけでなく、インターネット上の画像共有サイトなどに存在するコンテンツを検索・利用することも可能。Flickr、Fotolia、iStockphotoといったサイトに対応する。必要な画像を探すには、画面上部の検索ボックスにキーワードを入力するだけでよい。関連する画像が自動的に検索され、「Corel CONNECT」の画面内にサムネイルで表示される。表示された画像は、あたかもローカルディスク内の画像であるかのように、「CorelDRAW X5」などにワンタッチでインポートして活用できる。
「Corel CONNECT」は、単体のアプリケーションとして使用できるのはもちろん、「CorelDRAW X5」「Corel PHOTO-PAINT X5」のウィンドウ内にドッキングして使用することも可能だ。
グラフィックソフトで重視されるカラーマネジメント機能は、「X5」でさらに強化された。新たに搭載されたカラーマネジメントエンジンでは、Adobe CMMやMicrosoft WCSなど、数多くのプロファイルに対応し、色変換の精度も向上した。カラーマネジメント機能は「Corel PHOTO-PAINT X5」はもちろん、「CorelDRAW X5」を含めた他のアプリケーションでも共通で使用できる。カラープロファイルを変更した際の印刷結果プレビューや、編集作業時のカラープロファイルを反映したカラーパレットなどを利用することも可能。すべてのアプリケーションで統一したカラーマネジメントを行える。
編集機能では、オブジェクトのコピー&ペーストの際に便利な「属性スポイトツール」が追加された。コピー元が持つさまざまな属性のうち、「色のみ」「装飾のみ」「変形効果のみ」など、特定の属性のみをコピー先のオブジェクトに適用することが可能で、コピー後のオブジェクト再編集の手間を大幅に軽減できる。そのほかにも描画ツール「Bスプラインツール」が追加され、さらに矩形の角部分の丸め、面取り、スカラップ(逆丸め)機能などが強化された。
「Corel PHOTO-PAINT X5」では、写真画像の色合いなどを調整する「フォト効果」機能が追加された。用意された効果は、元画像を白黒化する「グレースケール」や、写真の彩度を適切に調整し、自然な感じに加工する「自然な彩度」、オールドレンズで撮影したかのような効果を加える「フォトフィルタ」など。
従来バージョンから好評だった、写真画像をトレースしてベクトル形式のデータを作成できるフォトトレース機能は「Corel PowerTRACE X5」となり、より高画質なトレースを実現できるようになった。