「箱庭」と呼ばれる強制収容所で起こる殺人事件の謎を追う、ノベルタイプのミステリーアドベンチャーゲーム。犯罪者たちの収容所で治安維持に務める孤独な執行人の苦悩
「ソラヘノキセキ Episode2 〜漆黒の断罪者〜」は、エピソードごとに主人公の視点が変わる推理アドベンチャーゲーム「ソラヘノキセキ」シリーズの第2弾。「ソラヘノキセキ Episode1 〜地に舞い降りた空〜」の続編にあたる。
今回の主人公は、Episode1(EP1)の主役「藤堂浩之」のクラスメイトで、友人の「飛鳥零慈」。舞台は大規模な地下都市――「箱庭」と呼ばれる犯罪者の強制収容所だ。地上で罪を犯した者は、親族とともに箱庭へと送られる。そこでさらに犯罪を犯すと、処刑されてしまう。零慈は、箱庭の治安を維持するため、そこで罪を犯してしまった者を裁く権限が与えられた“執行人”だった。
箱庭学園高等部に通う学生でもある零慈は、昼は友人である藤堂や「七海唯希」「桜花小鳥」とともに平凡な学生生活を送り、夜は犯罪者たちを殺める執行人としての責務を淡々とこなしていた。世間は、二つの未解決殺人事件「ファントム事件」「グリード事件」の噂で持ちきりだったが、零慈は無関心だった。なぜなら、事件の犯人を彼が粛正していたからだ。
たまたま執行人としての正体を知られてしまった少女「大神葵」や、二つの事件を追う藤堂らが所属する箱庭学園高等部の「探偵団」という存在など、心配事もないわけではない。それでも零慈は、気の置けない仲間たちと、表面上は穏やかな日々を送っていた。
ところがある日、執行組織の頭目で、零慈の上司でもある「秋山郁斗」から、グリード事件がまだ解決していないと告げられる。執行組織と敵対する警察組織に不穏な動きがあるらしい。グリード事件はすでに解決しているはずなのに、警察は未解決事件として扱っているという。さらに秋山の口から「藤堂浩之を粛正しなさい」という命令が下る……。
さまざまな視点からひとつの物語を描く、ザッピング形式のゲームシステム
「ソラヘノキセキ」は、選択肢が存在しないノベルタイプの推理系アドベンチャーゲームだ。全8話で構成される「ソラヘノキセキ」シリーズの2話目にあたる。同一の時間軸上で起こる殺人事件を、エピソードごとに異なる視点から描くザッピングタイプの構成で、すべてのエピソードを読むことにより、物語の全貌がわかる作りになっている。ただし、各エピソードはそれぞれ独立したシナリオになっており、「Episode2(EP2)」単体でも十分にストーリーを楽しむことができる。
ゲームシステムには、アドベンチャーゲームではおなじみの「吉里吉里」を採用。画面上のメニューバーから文字のフォントを変更できるほか、ゲーム中のどのタイミングでもセーブすることができる。テキストスキップの表示速度やオートモードの設定なども変更することが可能。マウスの右クリックで表示される画面では、メッセージウィンドウを非表示にしたり、メッセージ履歴を表示させたりすることも可能だ。