小さな妖精にされてしまった女子大生が姿を元に戻すため、魔法のパズルのピースを求めて、鉄道マニアの同級生とともに全国を旅する聖地巡礼クイズゲーム。魔法で変えられてしまった姿を戻すため、全国を旅してパズルのピースを集める
「ヒトナツの聖地巡礼」は、ノベルゲームとクイズバトルを楽しみながら、日本全国にあるアニメ、マンガ、ゲームの「聖地」を巡礼できる、ユニークなゲーム。豊富に用意された聖地の写真で観光気分を満喫できるだけでなく、自分自身が聖地巡礼をしてみたくなったときの交通・観光案内としても参考になる。アニメファン必見のゲームだ。
ゲームのヒロインは、秋葉原まで歩いてわずか3分のところにキャンパスのある御徒町大学2年生の「雨宮めぐ」。大学が夏休みに入ろうとする日、めぐはいつものように密かな趣味であるドール鑑賞のために秋葉原に行き、その帰り道、得体の知れない全身黒ずくめの男にぶつかってしまう。めぐのせいで、どんな願いでもひとつ叶えてくれるパズルが失われてしまったと激怒する男。男の唱えた呪文によって、めぐはドールサイズの小さな妖精の姿に変えられてしまう。
身体が小さくなってしまったため、自分の部屋にも入れず困っていためぐは、通りがかった同じアパートに住む大学の同級生で、サークル仲間でもある「十日市聖斗」に助けを求めた。二人はめぐの身体を元に戻すため、願いを叶えてくれるというパズルのピースを集める決意をする……。
アニメに描かれた土地や建物の実物を見ると、思わず感動!
パズルのピースの数は全部で12。日本全国の聖地に散らばっている。全国を回って1ピースずつ集め、最終的にパズルを完成させることがゲームの目的。ゲームは基本的に、ノベルゲーム形式で進行する。次の目的地の決定やそこまでの移動、現地でのピース探しなどは、すべてめぐと聖斗のやり取りを通じて行われる。間に分岐などのない、一本道のドラマとなっている。
ドラマのパターンは、(1)めぐが身につけている日本地図の形をしたパズルで、次の目的地の大まかな位置と、場所のヒントとなるメッセージが提示される。(2)ヒントをもとに聖斗がネットで検索して聖地の目星をつけ、その概略を説明する。(3)二人で聖地に向かう。このとき、安く移動できる交通手段や乗り継ぎの便、路線の1日の本数など、実際に聖地に行く際に注意すべき点などが具体的にくわしく語られる。(4)聖地でピースを探す。ここでは、作者たちが実際に現地で撮影した写真とともに、観光スポットやそこにある文物、由来などが説明され、簡単な聖地の観光ガイドとなっている。(5)ピースを発見し、持ち主とパズルのピースを賭けたクイズバトルを行う、というもの。
クイズバトルの相手は多くの場合、偶然ピースを手にしただけの一般人だが、それぞれの聖地をモデルにした作品のメインキャラを模した人物として描かれていたりする。ファンなら思わずニヤリとしてしまうだろう。
クイズバトルはHP制。やさしいうちに高得点を稼ぎ、HPの上限をアップしておこう
クイズバトルは、ピースの所有者が十数問のクイズを出題し、聖斗がそれに解答するという形式で展開される。クイズの内容には当然、その場所にちなんだ作品に関する問題も含まれるが、決してそれだけではない。その地方の名産品や名所などにちなんだ問題、ことば、社会、科学、生活、文化・娯楽などの一般常識まで、幅広い問題が出題される。
クイズは四択がメインだが、○×クイズや、後半に入ると4項目を正しい順番に並べ替えるクイズなども登場し、難易度が上がる。
クイズに全問正解する必要はない。画面左端には聖斗のHPが表示されている。答えを間違えるとHPが減少し、正解すると少し回復する。クイズの途中でHPが0になるとゲームオーバー。全問題が出題されたあとでも、まだHPが残っていれば、対戦に勝ち、ピースを手に入れることができる──つまり、正解率が低くても、なんとか最後までしのぎ切れればよい。残り出題数は画面右上で確認できる。
とはいうものの、クイズバトルに勝利すると、ボーナスとして聖斗の最大HPが増加し、クイズの成績がよいほど増加数は大きい。ただ勝つことを目指すだけでなく、問題がやさしい序盤のうちになるべく好成績を狙うようにした方がよい。
ゲームの難易度は、ゲーム開始直後に「むずかしい」「ふつう」「やさしい」の3段階から選択できる。難易度の違いで、出題される問題そのものは変わらないが、解答する際の制限時間が変わってくる。