たまたま一緒に雨宿りをすることになった一人の少年と二人の少女が、1本しかない傘をめぐって会話を重ねてゆく、マルチエンディングの短編アドベンチャー。忘れられた1本の傘めぐって繰り広げられる、静かで熱い説得合戦
「8月7日の雨宿り」は、とある夏の日の出来事が綴られた短編アドベンチャーゲーム。主人公は、中学2年生の少年「半田はる」。夏休みを利用して一人旅をしていた「はる」は、偶然立ち寄った田舎町で雨に降られ、屋根のあるバス停で雨宿りをしていた。すぐに止むと思っていたが、雨は一向に止む気配がない。「はる」と同じく傘を持たない二人の少女も、やはりバス停で立ち往生していた。雨宿り以外、特にすることもなく、とりあえず自己紹介をする三人。互いの名前と素性を明かし、和やかな雰囲気になったとき、一人が傘立てに置かれた傘の存在に気づく。そこから、傘をめぐる三人のトークバトルがはじまる。
登場人物は三人のみ。主人公の「はる」、別荘の手入れをするために来たという高校1年生の「瀬戸内涼子」、家出中の中学2年生の少女「峰路みね美」だ。三人の少年少女が、1本の傘を奪い合ったり、譲り合ったりすることになる。
ゲームの内容は、数々の選択肢が登場するコマンド選択形式のアドベンチャー。選んだ選択肢によってシナリオが多彩に変化する。ひとつのシナリオのプレイ時間はだいたい30分程度。エンディングは通常のものが16種類、おまけが1種類の計17種類となっている。
シナリオの内容は大きく分けて、
- 気まずい雰囲気のままエンディングを迎えるルート
- 傘を奪い合うルート
- 互いが傘を譲り合うルート
の3パターン。「涼子」「みね美」のそれぞれにトゥルーエンドが用意され、両方を見ると、おまけモードのシナリオをプレイできるようになる。おまけのエンディングを見ると、ゲーム終了後にCGモードとサウンドモードを楽しめるようになる。