ピアノロール形式による簡単な入力操作で楽曲を作成できる、シンプルなシーケンサ。ファミコンを思わせる音源を内蔵し、Webページやゲーム、携帯電話の着信音などを手軽に作れる。「Retro Music Editor」は、初期の家庭用ゲーム機にあった“ピコピコ音”などの音源を内蔵したシーケンスソフト。エンベロープ(音量変化)による音色の加工やFM音源の編集、音源波形データの生成などを行うことが可能で、MIDIシーケンサに必要とされる編集機能を備えている。インポート/エクスポート機能も搭載し、「既存のMIDIファイルを読み込んで、編集後に書き出す」ことも可能だ。
音符の入力は、縦軸方向に音程、横軸方向に時間経過(小節)が配されたピアノロール画面で行う。適当な位置(音の高さ)をマウスでポイントし、時間分(長さ)だけドラッグすることで、音符を入力できるようになっている。音符の長さの変更や移動、コピー&ペーストなども、ドラッグをはじめとしたマウス中心のアクションで行える。高さ(オクターブ/キー)や長さなどを数値で指定することも可能だ。
単音でメロディを記録してゆくのが最も簡単な使い方だが、複数トラックにももちろん対応する。(一般的なシーケンサと同様)トラックごとに異なる音色(楽器)を配置して、合奏させることも可能。各トラックで基本となる音の「波形」を選択して、エンベロープを設定することで、多彩な音色を実現することができる。音色は矩形、三角、鋸歯状、正弦、ノイズから選択することが可能。そのほか、FM音源を編集したり、ユーザが自分で波形データを編集して音源を生成(波形メモリ音源)したりすることもできる。エンベロープには、アタックレート(立ち上がり)やサスティンレート(音量の維持)、リリースレート(音量の消滅)などをミリ秒単位で設定することが可能だ。
作成中の楽曲は、ビルド(WAVE形式に変換する作業)経由で、必要に応じていつでも再生することが可能。楽譜の一部分を再生したり、あるいはトラック別に再生したりすることもできる。
完成した楽曲は、独自形式のプロジェクトファイル(*.RTP)として保存できるほか、MIDIファイル(*.MID/*.SMF)にエクスポートすることが可能。既存のMIDIファイルをインポートし、「Retro Music Editor」で編集後に出力することもできる。