「マウスコンプレックス」は、マウスカーソルに追従し、カーソル周辺に時計（現在日時）や、ユーザの設定したメモなどを表示するソフト。作業中であっても日時などが常に目に入り、他のアプリケーションを起動して確認したりする必要がない。表示位置は、マウスカーソルから右方向と下方向にpixel単位で調整できる。

表示できるのは「時計（現在日時）」「一言メモ」「クリップボードの内容」「Windows起動時間」。「時計」は常に表示されるが、他の項目は表示する/しないをユーザが設定できるようになっている。表示される文字のフォントやサイズ、色、スタイルなどを変更することも可能だ。

アラーム機能も搭載する。指定時刻に表示文字の色を変えたり、音を鳴らしたりといったことが可能。音を鳴らす場合は「1回だけ再生」か「ループ再生」かを選べる。ループ再生では、指定した音声が1分間、繰り返し再生される。

他の作業の邪魔にならないよう、マウスの静止後、指定秒数後に「マウスコンプレックス」そのものの表示を薄くしたり、消したりするオプションも利用できる。

そのほか、

• 現在のクリップボードの内容を一言メモに設定
• クリップボードをクリア
• 表示を一時的に消す
• 常に最前面に表示する

試用したときにまず感じたのは「どうしても表示される情報に目が向いてしまう」こと。マウスカーソルに情報表示がついてまわり、視線が自然と表示される情報に向けられて、気になってしまった。ただし、これは慣れの問題。1秒間マウスが動かなければ、「表示を消す」または「表示を薄くする」ように指定することで、その思いは緩和された。それでも気になるシチュエーションでは、「一時的に表示を消す」ように設定すればよい。

アラーム機能は便利。パソコンでの作業に夢中になり、大事な会議に遅れたり、アポイントメントを忘れたりといった、うっかりミスをなくしてくれる。

最初、私は、Windows 7に最初から付いている「付箋」を活用していました。しかし、これは、常に最前面に表示させていると、明らかに邪魔になりますし、かといって背面に表示させたままですと、うっかり存在を忘れてしまうかもしれません。

「常に視野に入るもので、かつ邪魔にならないもの」を考えたとき、それはマウスカーソルしかないと思ったのです。冒頭で書いたような些細な予定を忘れるというのは、何か作業に熱中しているときだと思います。そして、その作業中はたいてい、マウスカーソルを見て動かしています。それならば「マウスカーソルの付近に予定を表示できれば、嫌でも目に入り、忘れることが少なくなるのでは」と思い、作ったのがこの「マウスコンプレックス」です。

開発中に苦労した点
表示方法の考案が一番苦労した点といえます。現在の表示方法は、一言メモとクリップボード内容の表示に1行空白を空けています。地味なことですが、この表示方法にたどり着くまでにいろいろな試行錯誤がありました。時計と一言メモの表示の間を1行空けてみたり、全部の表示を詰めてみたりした結果、現在の「時計と一言メモの間は詰める」「一言メモとクリップボード内容表示の間は1行空ける」というベストな表示方法に落ち着きました。こういう一見どうでもよさそうなことの積み重ねも、非常に大切なことであると個人的に思っていますので、これ以外にもインタフェースの開発には特に注力しています。

ユーザにお勧めする使い方
一言メモとクリップボード内容の表示をOFFにして、カレンダー代わりにお使いいただくことも、もちろんよろしいのですが、このソフトにはメモ機能とアラーム機能が付いています。それを存分に活用して、冒頭に書いた「19時からテレビ」のようなメモを設定しておき、アラームをその5分前にセットするなど、些細な予定管理にご活用いただくと便利かと思います。もちろん、予定管理以外にもさまざまな使い方があります。最終的には、ユーザの方々が自分にあった最適な使い方を見出していただければ幸いです。

今後のバージョンアップ予定
ワンタッチソフトの掲示板などでご要望をお寄せいただければ、実現できる範囲でそれを搭載していきたいと考えています。ユーザのみなさまが、より一層快適で便利に使えるようなソフトウェアにするべく、今後も継続的にバージョンアップをしていきたいと思います。