ソフトを開発しようと思った動機、背景
「音楽だけでなく、効果音もすべて自分で手掛けたゲームを作りたい」と思ったのが発端でした。制作に着手した2009年3月、ゲーム業界のサウンドクリエイター志望者として活動していた私は、就職活動のためのアドバンテージを何かひとつでも多く持っていようと思いました。そこで思い浮かんだのが、効果音作りのスキルです。曲を作れる人に比べて、効果音を作れる人はずっと少ないように感じます。だからこそ、その価値は高いのではないかと思ったわけです。
とはいえ、効果音作りについて当時の私は右も左もわからない状態でした。だから、いきなり長編ゲームという危ない橋は渡らずに、効果音作りの習作という形でものすごくフツーのゲームを作り、それからじっくり音楽と効果音も作っていこうと思いました。そのフツーとはどれぐらいフツーなのかというと、それこそ勇者が魔王を倒しに行くというアレです。
しかし、いざ着手してみると、本当にフツーでした。作っていておもしろくないのです。制作のモチベーションが上がりません。このままではゲームの完成すら怪しい上、仮に完成できたとしても、効果音制作が捗らない恐れが出てきました。結局、考えを改め、これまで通り好き勝手に作ってみようと、いまのような形になったのです。
開発中に苦労した点
ありきたりですが、イベント(プログラム)などの命令が思うように動作しないことと、潰しても潰しても、どこからか発生するバグには泣かされました。「バグ」とはうまく喩えたものです。
音楽、効果音の作り手としては、音楽がどうしても過去の作品と似たような感じになってしまうことです。効果音が思った通りに鳴らなかったり、シーンや技などになかなかハマらなかったりして、ドギマギすることもよくありました。敵の技や魔法の効果音を作っていて、とうとう意図した音を出せずに結局、技や魔法の名前を変えてしまったこともあります。
作品の見どころ
本作品はいわゆるギャグゲー、バカゲーに分類されますが、一般的なそれらの趣向とは一線を画しています。あなたは、昨日3時間しか寝ていないと自慢されたことはありますか? 10の作品をプレイしたならば、8回ぐらいは出くわすことになる、女の子を暴漢から救い出すイベントに辟易していませんか? 本作品は「伝説の勇者を怒らせる48の方法」という特徴的なタイトルの通り、そうした「ムカつくけど笑える人の言動」あるいは「ゲームのお約束」にスポットを当てているのです。
本作品を公開してまだ間もありませんが、すでに両極端のご意見をいただいております。つまりおもしろいか、不愉快かです。それゆえ、本作品を楽しめるかどうかはあなたの感性次第ですが、まず作者自身がゲラゲラ笑いながら制作しているので、ハマる人は必ずハマるはずです。
また、そんなふざけたノリのストーリーとは裏腹に、ダンジョンの探索や戦闘は深く作り込んでいます。特に今回は、ダンジョン内での行動が戦局に影響を及ぼす地形効果の概念を導入しました。過去作品で好評だった、装備の組み合わせと攻防の駆け引きの奥深さはそのままに、地形効果という概念が加わって、ゲーム性に新たな奥行きが生まれたと自負しています。
音楽、効果音、二次利用可能!
本作品は、音楽、効果音に限り、二次利用を許可しています。まったく同じものをすでにサイト上で一般公開していますが、ゲームフォルダからファイルを引っこ抜いて使用していただいてもかまいません。ゲーム、Webラジオなど、創作活動にお役立てください。
特に音楽に力を入れていないわけではありませんが、今回の目玉は200近い効果音ファイルです。音楽素材配布サイトは数あれど、効果音素材配布サイトは大手がいくつかあるのみなので、聞き飽きた、あるいは他の作品とのカブりを危惧している人も少なくないはずです。しかし、本作品の効果音は今回が初公開なので、鮮度は十分です。音楽素材同様、湯水のごとく使っていただければ幸いです。
EXパッチで世界が広がる!
本作品とは別に「伝説の勇者を怒らせる48の方法 EXパッチ」を別途、販売しています。これは本作品の機能拡張・要素追加パッチです。主に全楽曲のMP3/OGGファイルと、EXダンジョンのデータで構成されています。
ゲームフォルダにあらかじめ入っているMIDIファイルをMP3ファイルに差し替えることで、さらに高品位の楽曲を聴きながらゲームをプレイすることができます。また同時に、楽曲の二次利用を許可しているので、ゲーム作品、Webラジオなどに自由にお使いいただくことができます。なお、一部の楽曲の試聴は作者サイトで行えるほか、動画サイトなどでも有志の方のイラスト付きでお楽しみいただくことができます。
加えて、EXダンジョンも数ヵ所ご用意しています。EXダンジョンとは、ゲーム本編とは直接関係のない、純粋に攻略することだけを目的としたダンジョンです。現在は準備中の部分も多いですが、最終的には3〜4ヵ所の、一癖も二癖もあるダンジョンとなる予定です。
次回作、今後の活動予定
しばらくはEXダンジョンの制作と本編のバグ修正を続けます。それがひと段落したら、今度は某同人格闘ゲームの楽曲、効果音制作に移るので、次回作の予定はいまのところはありません。
ただし、次回作があるとしたら、自由度の高いフリーシナリオ形式の作品になると思います。いくつかの勢力が取っ組み合いをしており、その中のどれに加担するか、あるいはしないかでエンディングが違ったり、街の人と話したり、いきなり殴りつけたりできるようなゲームを作ってみたいものです。
(NICE☆GUY)