ハードディスクの内容を丸ごとコピーできる“ハードディスク交換ソフト”。ワンクリックで完了する、簡単操作モードも用意されている。「完全ハードディスク交換 2010」は、ハードディスクを交換する際、現在使用中のディスクの内容を──ファイル/フォルダ、パーティション分割まで含めて──他のハードディスクに完全にコピーし、接続し直すだけでそのまま使えるようにしてくれるソフト。ハードディスク丸ごとまたはパーティション単位でのコピーを行えるほか、ディスクやパーティションの内容を抹消したり、コピー実行前にコピー元に不良セクタがないかをスキャンしたりすることもできる。
コピーモードは、ワンクリックですべての設定を自動的に行える「ワンクリックコピー」と、細かな設定をユーザが手動で行える「ディスク/パーティションのコピー」の二つ。ただし手動の場合でも、
- コピー元を指定
- コピー先を指定
- コピー開始
の3ステップ操作が基本で、コピー方式(標準コピー方式/セクタ単位コピー方式)の選択などを行える点が「ワンクリックコピー」と異なる。コピーの実行時には、コピー元/コピー先のディスクがパソコンに接続されている必要があるが、両者の接続インタフェースが異なっていても問題はない。例えば「内蔵SATAディスクの内容を、外付けのUSBハードディスクにコピーする」といったことも可能。対応するインタフェースはIDE/SATA/eSATA/SCSI/USB/IEEE 1394およびUSB接続されたカードリーダ内のメモリカードなど。
RAIDドライブにも対応する。コピー元を一般的なシングルドライブ、コピー先をRAIDドライブとしてコピーすることも可能。現在の環境をより安全性の高いRAID環境に移行するような場合にも使える。ディスク容量は最大2TBまでに対応する。
コピー元が起動ドライブの場合は、コピー先から起動させることも可能。コピー先が、Windowsを起動できないUSBなどに接続されていた場合でも、当該ディスクを本来のインタフェース(SATAなど)に接続し直すことで起動できるようになる(ただし、コピー先がUSBハードディスクやメモリカードなど、本来パソコンを起動できないディスクの場合、これらからWindowsを起動できるようにする機能ではない)。
コピー元とコピー先のディスク容量は異なっていてもよい。パーティション容量などはコピー時に調整できる。容量設定は、コピー元と同じパーティション容量にする「同サイズ」、コピー元のパーティションサイズ比率を新しいドライブにも適用する「自動拡張」、容量比率を自由に設定できる「手動拡張」から選択することが可能。さらに「起動パーティション(通常Cドライブ)だけをコピーし、そこからWindowsを起動させる」といったこともできる。
「完全ハードディスク交換 2010」は、CDから起動して利用する。そのため、ディスク障害などでWindowsが起動しない場合でも、ディスク内のデータを新しいハードディスクにコピーし、救済することが可能だ(ディスクが故障していない場合)。
さらに、CD-ROMドライブを搭載しないモバイルパソコン向けに、USBメモリから起動できるようにする「起動USBメモリ」作成機能もある。(使用しているパソコンがUSBメモリから起動可能でなければならないが)CD-ROMドライブのない(または接続できない)パソコンでも、ハードディスクの内容を他のディスクにコピーすることができる。
コピー元の内容を消去し、データ漏洩を防止する機能もある。データ消去はコピー元ディスクのすべてのセクタにデータを書き込む「完全消去」方式で、リカバリソフトなどを用いても、データを読み出すことができなくなる。ゼロライト、ランダムライト、ランダムランダムゼロライトのほか、米国国防総省準拠のDoD 5220.22-Mに対応する。