インタフェースを一新し、さらに“快適な写真編集”環境を実現した“定番”画像編集ソフトの新バージョン。「Corel PaintShop Photo Pro」は、高い機能と優れた操作性で知られる画像編集ソフト。新バージョン「X3」では、ユーザインタフェースが一新されたほか、「オブジェクト抽出ツール」「スマートカーバー」「マルチフォトエディット」「カメラRAWラボ」など、強力かつユニークな機能が追加された。プログラムの起動時間の短縮化を含む、パフォーマンスの向上も図られた。
ユーザインタフェースは、すべての機能をひとつの画面から呼び出すタイプから、
- 写真の整理や評価、タグ付けなどを行う「オーガナイザー」
- 写真の修整を簡単に行える「エクスプレスラボ」
- すべての機能を使って編集を行う「フルエディター」
の3種類を切り替えて利用できるようになった。用途に応じて最適のインタフェースを選択できる。画像の中から特定のオブジェクトを選択する切り抜き機能──いわゆる「投げなわツール」──が充実しているのが「Corel PaintShop Photo Pro」の特徴のひとつ。新バージョンでは「オブジェクト抽出ツール」として、さらにブラッシュアップされた。オブジェクトや背景を大まかに指定するだけで、不要なオブジェクトや背景を的確に除去し、目的のオブジェクトだけを抽出できる。
「スマートカーバー」は、ユニークな変形支援機能。画像のアスペクト比が変わる変形の際、あらかじめ指定した範囲だけを変形させず、元のアスペクト比を保持するもの。例えば3:2で撮影された写真を16:9に拡大する場合でも、人物だけは“太らせない”変形を行える。逆に「画面内の邪魔なオブジェクトを削除後、不自然にならないよう、そのオブジェクト分だけ画像を縮小する」といったことも可能だ。
ある写真に対して行った修整と同じ操作を、別の画像にも適用できるのが「マルチフォトエディット」機能だ。カメラの露出設定が間違ったまま撮影された画像のように、複数の画像に同じ修整を施したい場合に便利だ。画像の彩度を調整する際、人間の肌の色を自動的に判断して、肌色だけを不自然に強調されないようにする、スキントーン重視の彩度調整機能なども追加された。
Rawデータで撮影されたファイルを変換するRaw現像機能も強化された。「カメラRAWラボ」により、露出補正や色調補正、シャープネスなど、さまざまなパラメータを調整しながら、現像を行えるようになった。対応するRAWファイルの種類も多い。
編集後の画像はJPEG/BMPなどの画像ファイルとして保存できるほか、新たに追加された「Corel PaintShop Photo Creator」で、さまざまな形式に加工することが可能。編集後の画像を動画共有サイト「YouTube」や写真共有サイト「fickr」に直接アップロードしたり、写真画像をもとにカレンダーやグリーティングカード、CDラベルを作成したり、フォトブックを作成したりといったこともできる。「Corel PaintShop Photo Creator」は、Windows 7の新機能「Windowsタッチ」にも対応する。対応環境では、より直感的に操作することが可能だ。