インタフェースが一新され、さらに簡単に操作できるようになった“定番”ビデオ編集ソフトの新バージョン。GPU支援機能への対応やCore i7への最適化なども行われた。「VideoStudio Ultimate X3」は、ユーザに“こだわりのビデオ作品制作環境”を提供してくれるビデオ編集ソフト。操作性の高さと、上級者・プロ向けソフトにも引けを取らないほどの多彩な機能をあわせ持つ「VideoStudio」シリーズの新バージョンで、インタフェースの変更などに加え、多数のフィルタの追加、ビデオ作品制作支援機能の強化、動画共有サイトへのアップロード機能の強化なども行われた。上位版「Ultimate」のほか、一部機能の割愛された「Pro」もある。
新バージョン「X3」での大きな変更のひとつが、ユーザインタフェースが一新されたこと。「VideoStudio」の従来バージョンでは、「キャプチャ」「編集」「エフェクト」「オーバーレイ」「タイトル」と、細かな編集作業単位で画面上部にタブが用意されていたが、「X3」では「取り込み」「編集」「完了」の3ステップに簡略化された。エフェクトやオーバーレイなどは「編集」ステップ内でアイコンを選んで行う。編集画面も、より高度な編集を行いやすいタイムライン方式に重点が置かれるようになったが、もちろんストーリーボード方式に切り替えて編集することも可能だ。
あらかじめ用意されたテンプレートを選択し、動画や画像を自前のものに置き換えるだけで、見栄えのよいビデオ作品を作れる「インスタントプロジェクト」機能も追加された。動画や画像などの素材を置き換える際、プロジェクトに適用済みのトランジションやオーバーレイ設定などはそのまま残り、素材を入れ替えるだけでプロジェクトができあがる。選択できるテンプレートは26種類。テンプレートはダウンロードして追加することも可能だ(テンプレート以外に、タイトル効果を含むフォントパックなどもダウンロードして、追加できるようになっている)。
タイムライン編集では、トラック上の複数のクリップを選択して、他のトラックにカット&ペーストできるようになった。ビデオクリップ間にトランジションエフェクトを設定している場合は、エフェクトごと他のトラックに移動(またはコピー)させることができ、編集効率が大幅に向上する。
エフェクトでは「オートスケッチフィルタ」が追加された。写真や動画を手描きのスケッチ風にしたり、スケッチから実写へと徐々に移行したりするような効果を手軽に適用することが可能。タイトルトラックに効果を適用できるフィルタも追加され、文字の変形やアニメーションだけにとどまらない、さまざまな効果を持たせたタイトルを作れる。
さらに、プロ用途にも使える高画質フィルタ集「NewBlueフィルタ」56種類が追加されたほか、オーディオフィルタも「NewBlueオーディオフィルタ」6種類が追加され、計20種類になった。GPUの3D機能を活用した高画質3Dフィルタ「Corel FXフィルタ」も利用できる。
レンダリング機能では、GPUアクセラレーション(NVIDIA CUDA)やIntelの最新CPU「Core i7」への最適化が行われた。特にCore i7への最適化では、Core 2 Duo(2.4GHz)とCore i7(2.8GHz)を比較した場合、Core i7でレンダリング時間が1/3程度に短縮されるなど、コア数やクロック数の比にとどまらない高速化が実現されている。
編集結果は動画ファイルやDVDのほか、Blu-ray Discに出力することも可能。Blu-ray出力は、下位の「Pro」版でも対応するなど、いよいよBlu-rayオーサリング機能が一般化してきたことを感じさせる。
動画共有サイトへの直接アップロードでは、従来バージョンからのYouTubeなどに加え、Vimeoにも対応した。いずれもH.264によるハイビジョン解像度でのアップロードを行える。