ソフトを開発しようと思った動機、背景
機能的な説明はご紹介いただいた通りですが、開発の動機や背景は沌珍館企画の他のソフトとはかなり違っています。いつもは「こういうのがあったらいいな」「こんなのがあれば便利だな」というニーズ(目的)が先にあって、それを実現するツール(手段)として物作りをはじめる、というのがほとんどのパターンです。しかし、この「実行中アプリケーションの表示名を設定 タイとる君」(以下、「タイとる君」)のときには、たまたまWindows API(Application Programming Interface)に関する本を読んでいて、「こんな手法があるんだったら、こういうツールが作れるんじゃないの?」と逆方向に考えて、ドキドキしながら作りはじめました。出先だったのですが、いまでも場所まではっきり覚えています。
不思議なもので最初がそうだと、その後もフォームボタン制御とか、マウスキャプチャ設定とか、果てはパスワード属性解除とかの技術要素を見つけては、「これはこういうことに使えるかも」という“素材起点型”の方向で機能追加してきています。「見つけてしまった技術の用途をあとから考えた」という意味では、人類が核兵器を作ってしまったのと同じなので、望ましいアプローチだったのかどうかはいまだに疑問です。
開発中に苦労した点
苦労というのと少し違いますが、何しろ他の(ほとんどの場合、よそ様の)稼動中アプリケーションを相手に、リアルタイムで文字列リソースやフォームボタンの状態などを遣り取りするため、結果は必ずしもこちらの思い通りにならないことが多々あります。同じことをお願いしたり、勝手に押しつけたりしても、やはり相手には相手の事情や状態があるので、それぞれ反応の仕方が違うことがあるのは人間同士の場合と同じようです。
ユーザにお勧めする使い方
表計算ソフトを文書作成に使われる方も少なくないように、ツールの使い途はそれぞれのユーザさんごとに違うだろうと思っています。「タイとる君」も、全部の機能がすべてのユーザさんにお勧めということもないと思いますので、使えるものをお使いいただければ幸いです。
こちらでよく使うのは「先頭文字列の自動削除」で、タイトルバーやタスクバーには処理中のファイル名を先に表示してほしいのに、必ずプログラム名からはじまるアプリケーションなどには重宝します。その動きから通称「脱帽モード」と呼んでいます。
また、処理時間の長いスキャンサーチ型のプログラムには「起動時刻の表示」にしておくこともよくあります。もちろん気休めにしかなりませんが、それはそれで精神衛生上も重要な情報だと思います。
今後のバージョンアップ予定
これを書いている時点では「タイとる君」をVer.2.3にバージョンアップしたばかりなので、現在の仕掛かりはまだありませんが、ご要望などございましたら、お寄せいただければ検討させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
(沌珍館企画)