2D映像をリアルタイムで3D映像に変換できる「TrueTheather 3D」が追加された「PowerDVD」シリーズの新バージョン。「PowerDVD」は、Blu-rayやDVDなどの動画メディアを再生できる“定番”ユニバーサルプレイヤー。AVCHD/AVCRECにも対応し、通常のBlu-ray/DVDはもとより、ハイビジョンで記録されたDVDを再生することも可能。新バージョン「10」では「TrueTheather 3D」のほか、「TrueTheather Noise Reduction」「TrueTheather Stabilizer」といった機能も追加された。さらに、対応ファイル形式の拡大も図られた。「Ultra」「Deluxe」「Standard」の3エディションがある(編集部注:本稿は、最上位の「Ultra」を対象にまとめられています)。
新機能「TrueTheather 3D」は、従来の2D表示のDVD映像を加工し、(奥行き情報を持つ)3Dで再生するもの。ステレオ音声に対してサラウンド効果で奥行きを持たせるのと同様、映像に仮想的な奥行き情報を与えて再生できる。3D表示機能が搭載されたディスプレイと3Dメガネとの組み合わせで利用する(今後、Blu-ray 3Dの再生にも対応する予定)。
「TrueTheater Noise Reduction」は、カメラ撮影時のCCD/CMOSノイズ(High-ISOノイズ)を低減し、映像を高画質化する機能。「TrueTheather Stabilizer」は、画像の揺れを抑えて見やすくしてくれる。ビデオカメラ撮影された動画の手ぶれ補正などを行える。
動画ファイルの再生機能では、新たにMKV/FLV形式に対応した。さらに、携帯電話などで撮影された3GPP/3GPP2ファイルの再生も可能になった。RealPlayerがインストールされていれば、RM/RMVBファイルも再生できる。
SDソースの解像度を拡張し、480pから最大1,080pまでのHD解像度で再生する自動アップコンバート機能「TrueTheather HD」では、NVIDIA CUDAやATI StreamといったGPUの演算機能を利用できるようになった。CPUパワーの低いパソコンでも、GPUの機能を利用して高画質映像を楽しめる。
そのほか、動画コンテンツの明るさやコントラスト、彩度などを自動調整し、パソコンのディスプレイでも鮮やかな画面を生成する「TrueTheather Lighting」には、(周囲の明るさを測定する「環境光センサ」がパソコンに搭載されていれば)周囲の明るさに応じて最適な画質を自動的に調整する機能が追加された。
音声機能では、DVD/Blu-rayのデジタル音声データをビデオカード上のHDMI端子からダイレクトに出力する「High bit-stream lossless pass-through」に対応した。対応するビデオカードとテレビやAVアンプなどの再生機器があれば、パソコンと再生機器とをHDMIケーブルで接続するだけで、劣化させることなく動画と音声を転送・再生できる。音声コーデックでは、DTS-HDやDolby TrueHDなどのHDオーディオに対応し、より高音質での再生を行える。
市販Blu-ray DiscのBD Profile 1.1(Bonus View:ピクチャインピクチャ再生)やProfile 2.0(BD Live)、家庭用レコーダなどで記録されたBlu-ray Disc、AVCHD/AVCRECディスクなど、幅広いメディアの再生に対応する。