一枚の用紙に複数のページを割り付けて印刷したり、不要なページを事前に削除したりなど、さまざまな方法で印刷時のムダを減らし、コストを抑えられるプリンタドライバ。「FinePrint」は、Windowsの印刷機能を拡張し、縮小印刷などを行って、印刷コストの低減化を図る多機能プリントユーティリティ。仮想プリンタドライバとして動作し、アプリケーションからの印刷実行時に、出力先プリンタに指定して使用する。印刷ジョブがいったん「FinePrint」に送られ、ユーザがさまざまな設定を行ったあとに、通常のプリンタで印刷が行われる仕組み。新バージョン「6」になり、Windows 7に対応したほか、ページ単位の切り取り/貼り付けや文書のモノクロ化などが可能になった。
アプリケーションの印刷実行後に表示されるプレビュー画面で行えるのは、「出力するページの編集」「レイアウトの指定」「ジョブの編集」「フォームの管理」「ステーショナリの設定」など。「出力するページの編集」では、不要なページを出力対象から削除したり、空白ページを挿入したりすることが可能。ページの内容をテキストやメタファイル、画像データなどの形式でクリップボードへ転送することもできる。
「レイアウトの指定」では、一枚の用紙に対して複数の(文書上での)ページを割り付けて印刷したり、両面印刷や印刷部数を指定したりできる。レイアウトはバイパス/1ページ/2ページ/4ページ/8ページ/小冊子の6種類から選択することが可能で、(バイパス以外の)割付印刷を行う場合には、角ページの枠線や綴じ代、モノクロ印刷、フォームの選択などのオプションも設定できる。
「ジョブの編集」では、アプリケーションから出力された複数の文書を「FinePrint 6」上にジョブとして蓄積することで、全体をひとつの文書であるかのように印刷することが可能。ジョブは出力された順番に「FinePrint 6」上に蓄積される。ジョブの順番を入れ替えたり、不要なページを削除したりといったことも可能だ。
「フォームの管理」は、現在ジョブとしてプレビューしているページをもとに、フォームを作成したり、既存のフォームを削除したりできるというもの。作成したフォームは「レイアウト」画面上で印刷オプションとして選択できるようになる。ジョブの文書は指定したフォームの上に重ねて印刷され、レターヘッドのように使うことができる。
「ステーショナリの設定」では、文書の背景に透かし文字を入れたり、ヘッダ/フッタの文字を指定したりできる。“Confidential”や“Draft”といった透かしやタイムスタンプなどがあらかじめ登録されており、リストから選択するだけで設定することが可能。ユーザが任意に作成したステーショナリを登録することもできる。さらに、フォントの指定や透かし文字の角度、色の濃さ、適用するページ、ページ番号の開始ページや桁数などを指定することもできる。日付やページ番号のほか、ユーザ名やコンピュータ名などを自動的に挿入する変数挿入機能もある。
プレビュー画面のステータスバーでは、印刷対象のページ数や出力に必要な用紙枚数、用紙の削減率などの情報を確認できるようになっている。
印刷ジョブをファイルとして保存したり、既存のジョブファイルを開いて印刷を行ったりすることも可能。プリントジョブとしての保存以外に、テキストやGIF/JPEG/PNG/EMFなどの画像ファイルとして保存することもできる。