主要メーカーのデジタルカメラに対応した高機能RAW現像&フォトレタッチソフト。「Capture One」は、中判サイズのデジタルカメラバックメーカー・Phase One社の開発するRAW現像ソフト。新バージョン「5」は、日本語、英語を含めた9ヵ国語に対応した多言語版となったほか、Adobe DNG形式画像の現像にも対応。対応機種はさらに広がり、キヤノン「EOS 7D」やニコン「D300S」などにも新たに対応した。
画像編集では、「バリアント」と呼ばれる別バージョン編集機能がユニークだ。元の画像ファイルに対して複数の現像・編集バージョンを作成し、同時に保持・編集することができる。フォトレタッチ作業では、露出や色の調整をわずかに変えるだけで、できあがる画像のイメージが大きく変わることも多いが、複数の編集パターンを同時に保持することが可能で、元ファイルを複数コピー・保存しなくてもよい。
露出調整では、画像のダイナミックレンジを最大限に生かす「ハイダイナミックレンジ」ツールが便利。ハイライト部分およびシャドウ部分のトーンカーブを調整することで、通常の現像に対して0.5〜1段相当分のダイナミックレンジを増加できる。露出設定のミスなどで、白とびや黒つぶれが発生した画像でも、可能な限りトーンを回復することが可能だ。
画像のイメージに大きな影響を与えるホワイトバランスの設定では、カメラ側で行うような典型的な光源名称による設定のほか、ケルビン温度による設定、緑/マゼンダのバランスをとるカラースライダによる設定、画像のホワイト部分の指定による設定など、さまざまな方法でカラーバランスを調整することが可能。調整範囲も広く、的確な色調整を行える。
編集画面では、マルチビューイング機能により、最大12画像までを同時に開くことが可能。ビューアを複数の領域に分割して並べて表示できるため、バリアント機能で作成した複数の編集バージョンを比較する場合に便利だ。