「キャッシュされたはずのあのデータを拾い出したい」という目的に特化したソフト。「Salvage(復帰、救助の意味)」の名前通り、「Internet Cache」を復帰させ、あらためて利用できるようにしてくれる。ご存じの方も多いと思うが、IEは、Web上で取得した動画や静止画等のデータをキャッシュフォルダと呼ばれる場所に保存し、再度、同じデータに対してアクセス要求があると、Webからデータを取得せず、ハードディスクから呼び出して、高速化を図る。そのため、動画や静止画は、キャッシュフォルダにデータが保存されると同時に、表示や動画・音声の再生も行われる(データのダウンロードと同時に表示・再生されるストリーミングデータのように、キャッシュフォルダにデータが保存されない例もある)。キャッシュフォルダに一時保存されたデータは、ブラウザ終了時に削除する設定にしていない限り、一定期間保持されるため、消去される前に利用することができる。
例えば、IE 8のキャッシュフォルダは、初期状態で「C:\Users\(ユーザ名)\AppData\Local\Microsoft\Windows\Temporary Internet Files\」に設定されており、エクスプローラを利用すれば、キャッシュファイルを操作して利用することが可能だ。しかし、キャッシュデータは複数のサブフォルダに分散保存されるなど、エクスプローラを用いて目的のキャッシュデータを拾い上げるのは大変だ。
前置きが長くなったが、「Internet Cache Salvage」を利用すれば、キャッシュフォルダに保存されているデータを手軽に有効活用できる。「閉じてしまったWebページの画像を保存しておけばよかった」とか「動画の『ダウンロード』ボタンをクリックしたのに保存されず、ブラウザのプラグインが勝手に再生をはじめてしまった」とか、そうした事態に「Internet Cache Salvage」は対処できる。興味を持った方は、ぜひ利用してほしい。
(川越 裕之)