複雑な数式を簡単に入力できる“数式ワープロ”。数式は図形ではなく、文字として入力され、通常のテキストのように内容を編集できる。「MathNote」は、複雑な数式を一般のテキストと同じ感覚で入力できる、使い勝手のよい数式ワープロ。積分や行列などの数式も、簡単な操作で文書内に書き加えることが可能。数学用の図形を意識した作図機能も搭載する。作成した数式や文章、表などは、TeX(LaTeX)形式やHTML形式に変換することも可能だ。
数式の入力は簡単。まず、文書内に「数式ブロック」を作成して、メニューまたはツールボタンから数学記号や数字を挿入する。数学記号には、数字などを入力できる位置に赤い「?」が表示されるので、そこに数字や新たな記号などを入力すればよい。記号のサイズは自動的に調整されるが、必要に応じて変更することもできる。
ツールボタンには、添字、分数、指数、ベクトル、可変括弧、可変絶対記号、行列、総和、積分、極限など、代表的な数学記号が揃う。数式中によく使用されるギリシャ文字や論理記号などの入力パレットも用意され、特殊な記号も手早く入力できるようになっている。
作成した数式は、通常のテキストと同様、(マウスポインタで位置を指定して、キーボードで操作するだけで)手軽に編集できる。指数、分数、行列、シグマ記号などのバランスはpixel単位で微調整することが可能。幅や高さを自由に指定できる「可変スペース」を使って、演算子の周囲に空白を作ることも可能だ。
数式ブロック内に作成された数式には、自動的に数式用のフォントが適用され、さらに変数をイタリックにするなど、それぞれの数式に適した処理が施される。もちろん、ユーザの好みでフォントの種類やスタイル、色、サイズの変更などは自由に行える。
表や罫線の作成機能を使い、複雑な数式を含む表などを作成することも可能。数学でよく用いられる図形やグラフを作成するための独自の作図機能も搭載し、点や円弧(扇形、弓形)、正多角形なども簡単に描画できる。グラフの作成に便利な部品が揃う「図形パレット」も用意されている。
そのほかにも、図形の変形(サイズ変更、回転、せん断、頂点の移動)や連続直線ツールで作成した自由領域への網かけ、既存の図形の各頂点に対する自動スナップ、矢印の大きさや角度、方向などの微調整など、便利な機能を数多く搭載する。他のアプリケーションで作成した図形や表、グラフを取り込んで、「MathNote」の文書内に貼り付けることもできる。