「HD Movie Maker」は、動画を変換して、Blu-ray形式でディスクに書き込めるソフト。入力可能な動画形式はWMV/MKV/AVI/DivX/XviD/MPEG/MP4/QuickTime/RealVideo/H.264/M2TS/M2T/MTS/FLVなど。Windowsで再生できる動画であれば、ほとんどの形式に対応する。さらにマルチコアエンコードにも対応。最新のIntel Core i7プロセッサでは、4コア＋Hyper-Threadingにより、同時に8ファイルをエンコードすることが可能だ。

大きな特徴は、（通常解像度のソースでも）入力した動画ファイルがハイビジョン解像度（HD解像度）にアップスキャンコンバートされること。選択できる出力時解像度は1280×720、1440×1080、1920×1080pixelの3種類。元動画の解像度にかかわらず、常にユーザの指定した解像度にアップスキャンされる。Blu-rayディスクなどのハイビジョンメディアに記録すれば、HD解像度のディスクを作成することが可能。DVD-Rなどの従来メディアに記録した場合でも、HD解像度が適用される（ただし通常メディアの場合は、家庭用DVDプレイヤーなどで再生できない場合もある）。

使い方は簡単。（1）動画を登録し、（2）解像度や書き込むメディア（サイズ）を指定して、（3）「書き込み」ボタンを押すだけ。必要に応じてトリミングなどの処理も行える。さらに詳細設定では、ビットレートやズームモードのほか、オーディオのビットレート/サンプルレート、チャンネルなども変更できる。動画の登録はドラッグ＆ドロップで行うことが可能。登録された動画は、メイン画面にサムネイル付きで一覧表示され、選択した動画をプレビューすることもできる。動画一覧の表示方法を詳細表示/並べて表示で切り替えることも可能だ。

動画一覧のサムネイルをダブルクリックするとトリム画面が開き、動画の先頭および末尾を任意の長さだけ切り取れる。切り取り位置の指定は、スライダーをドラッグするだけで簡単に行える。

しかし、そうした制限はあくまで、リアルタイムで変換するからこそ生じる。非リアルタイムで時間をかけて変換してよいのであれば、高いCPU性能は必要ないし、HD解像度のBlu-rayメディアにしてしまえば、アップコンバート機能のないAV機器でもハイビジョン画質で再生できる。

「HD Movie Maker」がユニークなのは、まさに「HD解像度への変換」だけにターゲットを絞ったソフトであるという点だ。たしかに同じことは多くの動画編集ソフトやオーサリングソフトでもできる。しかし、ドラッグ＆ドロップだけで簡単にHD解像度に変換され、Blu-rayオーサリングができるという手軽さは「HD Movie Maker」ならではだ。

最初から最高画質を狙ってHDカメラを駆使し、HD解像度の動画を集めて、Blu-rayを作成する──そうした「本気」のオーサリングに比べると、「SD解像度の動画をできるだけきれいに見たい」というのは、どちらかといえばライトな楽しみ方だ。気軽な使い方をするからこそ、操作も簡単であってほしい。「HD Movie Maker」は、そうしたニーズにぴったりのソフトだ。

このソフトの個人的な売りは、

• DVDメディアにもBlu-ray形式で書き込めること
• RealMedia形式に対応していること

「Web Video Downloader」を軸に、「FLV Converter」「HD Movie Maker」と、さらにもうひとつ融和性の高いソフトを現在開発しているので、そちらもお楽しみに。