ソフトを開発しようと思った動機、背景
機能的な説明はご紹介記事の通りですが、欠損画像を見つけたら階層フォルダ構造から元のURLを繋いで作ってもう一度取りに行き、今度はブラウザのダイアログの中で階層を逆に降りて、目的の場所に格納し直すという一連の手作業が何とも面倒で、「こういうのは何とかならないものか」と思っていたのがすべてのはじまりです。背景としては、ローカル線の中でノートパソコンをPHSカードのネット接続で使うという毎日なので、「ネットワークが切れるのなんか日常茶飯事」という悲しい現実もあります。何とかなりそうなソフトを探しましたが、どうもありそうにないので、「ないなら作るか」ということにしました。その意味では、動機は単純です。
とりあえず動く原型ができたあとは、「でも、こんなもの誰も使わないよな」という感じで、1年以上も日の目を見ずにディスクの底に眠っていましたが、「どうもそうでもなさそうだ」ということで、デザインと操作性を整備して公開しました。
開発中に苦労した点
提供するからにはできるだけ簡単に使いやすく、というのが基本姿勢なので、いろいろな方法で欠損画像の指定ができるようにしてあります。
- エクスプローラ内でドラッグ&ドロップする
- デスクトップ上のアイコンにドラッグ&ドロップする
- 起動後のフォームにドラッグ&ドロップする
- 画像のフルパスを入力エリアに貼り付ける
- 「参照」ボタンを押してダイアログで指定する
等々、状況に応じてご利用いただけます。「操作が流れになるように」という配慮もしてあります。欠損画像を指定したら「再取得」ボタンが選択される。画像を再取得できたら「上書き保存」ボタンが選択される。そのため、通常は【Enter】キーだけで進めることもできます。フォーム内での基本は上から下、左から右です。
ただ、何しろインターネットを相手にするプログラムなので、変な話ですが、相手は信用できません。「ウソだろ」というようなエラーも随分返ってきます。表裏ある世界で、結構勉強になりました。
苦労といえば、『もういち丼』だけではありませんが、いつも苦労するのは名前とアイコンです。機能を推測させるわかりやすい名前と、それらしいアイコン。名前が決まらないとアイコンも作れないのはお察しの通りです。
ユーザにお勧めする使い方
見ればそれとわかる単独画像の取り直しだけでなく、フォルダ指定での欠損画像一括検出も大変便利です。検出された欠損画像は、ダブルクリックするだけで再取得対象として設定されます。あとは「再取得」ボタンを押すだけです。この機能は欠損画像検出のためにJPEG規約を調べてその通りに作りましたが、見た目には何ともない画像が次々に検出され、最初は訳がわかりませんでした。ところがよくよく調べると、JPEG規約にも少し付け入る隙があり、規約に準拠しつつ、別の情報を埋め込むことが可能なこともわかりました。
さらにその手法にも2種類あって、多くの画像ビューアは、
- 元の画像を劣化させて埋め込む
- 元の画像を劣化させずに埋め込む
のどちらも見逃してしまうようですが、『もういち丼』では2.のものを欠損ファイルと認識して検出します。ただし、それが故意か過失か、偽装か事故かまではわかりませんので、ご注意ください。今後のバージョンアップ予定
とりあえず現在のところ、目先の予定はありませんが、『もういち丼』に限らず、ご要望などございましたら、お寄せいただければ検討させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
なお、サンプルで同梱されている画像は、自分で撮った1977年F1日本GPでの星野一義・コジマKE009(富士スピードウェイ、100R付近)です。サンプルは半欠けですが、『もういち丼』をインストールして再取得に行くと、セットアップしてあるオリジナルをダウンロードできます。ご笑納いただければ幸いです。
(沌珍館企画)