ニンジンを偏愛する異常な農場主の農場から、命がけでニンジンを盗み出せ

「SteelRabit」は、女性の姿をしたウサギが主人公のステージクリア型アクションゲーム。農場を監視する農夫や番犬、農場に仕掛けられたさまざまな罠をかいくぐりながら、ニンジンを奪取して生還することが目的。失敗して捕まると、ウサギパイにされてしまうという残酷な運命が待ち受ける。

ゲームの主人公「バニラ」はウサギの娘。ゲーム内では擬人化され、ウサ耳娘の姿をしている。母親と二人暮らしのバニラは誕生日を迎えたある日、近くの農場から一家の食料となるニンジンを調達する役目を任される。バニラのターゲットにされた農場の農場主は、何を考えているのかわからないほどの無口で無表情な男。なぜか異常なほどニンジンを愛し、ニンジンを守るためには、採算を度外視した厳重な警備体制を敷くことも厭わない。当然、バニラにニンジンを盗まれれば盗まれるほど、警備は強化される。はたしてバニラは、警備がエスカレートする農場からニンジンを獲得し、生還し続けることができるだろうか……。

用意されたステージは全7面。条件を満たしてステージをクリアすることで、「資料館」で映像特典を閲覧できるようになる。バニラの解説付きのワンシーン「ギャラリー」や、ストーリーを補足するサブストーリー「カットシーン」、さらには「エクストラステージ」が追加されるオマケもある。ステージ間に表示されるショートストーリーもおもしろい。

ジャンプとダッシュを上手に使ってステージクリアを目指そう

操作はキーボードで行う。「カーソルキーでバニラを前後左右に移動させ、気になるものがあった場合は触れて調べる」というのが操作の基本。【Z】キーとカーソルキーを同時押しすると「ダッシュ」。スタミナを消費しながら、高速移動できる。敵から逃げるときや、敵の目を盗んでその背後を駆け抜けるときなど、使う機会は多い。タイムアタックでよい成績を出すためにも重要だ。ただし、調子に乗ってダッシュを続け、スタミナが0になるとバニラは転び、しばらく身動きできなくなる。画面左下に表示されるスタミナゲージを確認しながら、スタミナが0になる前にダッシュを止めるようにしよう。スタミナが少しでも残っていれば、通常の移動に支障はない。減ったスタミナは動かずに立ち止まっていることで、徐々に回復する。

【X】キーとカーソルキーの同時押しは「ジャンプ」。キーを押す長さで、距離を調節することができる。スタミナを少し消耗するが、低い柵や幅の狭い川、水路、トラバサミなど、一部の地形や罠を飛び越すことも可能だ。【C】キーは「穴掘り」。地面に穴を掘り、敵を誘い込んで落とせば、一定時間は身動きを封じられる。ただし、固い地面は掘ることができない。タイムアタックをする上では不利なので、実際に使用する機会は少ないだろう。

ステージが進むにつれ、正確ですばやいジャンプテクニックが要求される

ゲームを進める上で重要になるのが「モドリ花」と呼ばれる青い花。「チェックポイント」の役割を果たし、触れておけば、途中でミスをしてもそこからやり直せる。ステージ途中で見つけたら、必ず触れておくようにしたい。

ゲームの目的は、ステージ上にあるニンジンを盗み出し、黄色い矢印のマークが表示された「脱出地点」まで無事たどり着くこと。盗むニンジンの数は画面右上に表示される（ほとんどのステージでは1本か2本）。バニラの行く手を阻むのは柵や川、水路といった地形や構造物、トラバサミなどの罠、農場主、農夫、犬などの敵キャラ。注意すべき危険な地形は、なんといっても川や水路、池など。バニラはウサギのためか、水には弱く、落ちると即座にミスとなる。

トラバサミには固定式のものと移動式のものとがある。危険なのはもちろん移動式のもの。タイミングを合わせて飛び越えないとミスになる。トラバサミはバニラだけでなく、敵キャラにも有効。邪魔な犬を誘い込んで、二度と追いかけてこられないようにすることも可能だ。

ただし、用意されたチェックポイントの数が多く、位置もよく考えられているため、繰り返しプレイしてもまったく苦にならない。難所をクリアしたあとには必ずチェックポイントがあり、モチベーションの低下を防いでくれる。オマケが豊富に用意されているのも楽しい。しかも、クリアしたときの成績などにより、見ることのできるオマケが変化する。ノーミスでクリアしないと見られないオマケも多く、ノーミスにチャレンジする意欲も湧きやすい。

ステージ間のキャラのかけ合いやオマケも非常に楽しく、続きが見たくなる。最終ステージはかなりボリュームがあるが、それ以外は短めのステージ構成のため、気楽にプレイできるのもよい。ステージの構成やゲームバランスなどもよく考えられている。アクションゲームが好きな人にはぜひお勧めしたい。

開発中に苦労した点
ステージ構成や難易度の決定は一人では行き詰ることが多く、関係者の方々に助けられました。また、登場するキャラクタを魅力的だと感じていただけるように、グラフィックやセリフ回し、話の展開の調整に力を入れました。目標タイムを超えることで、各種オマケがちらほらと出現しますので、最後のエクストラステージを目指して、ぜひ挑戦してみてください。