煩雑な操作や設定が不要で、簡単に使えるはがき作成ソフト。年賀状の作成はもちろん、封筒やタックシールなどの印刷も行える。「宛名職人」は、年賀状や暑中見舞いなどの裏面デザインをはじめ、宛名印刷や住所録管理などまでに対応する多機能はがき作成ソフト。新バージョン「16」になって、住所録データの分類・条件検索機能が強化され、宛名印刷用のデータ検索や抽出をスムーズに行えるようになったほか、全般的な操作性も改善された。プロのデザイナー/イラストレーターによる年賀状裏面用のデザインテンプレートや、写真年賀状用のテンプレート、カジュアルなデザインのテンプレートなど、収録されたテンプレートは豊富。自宅/会社など、送付相手や場面に適した年賀状を簡単に作成できる。
住所録の入力画面は、Mac OS Xの「アドレスブック」に似たカード型データベース形式のデザイン。住所録カードでは、住所を「自宅」「会社」「その他」に分けて登録できるほか、誕生日、干支、年齢、性別、星座、血液型、趣味、性格といった情報やメモ欄、備考欄も用意され、個人ごとにさまざまな情報を登録しておける。年賀状や暑中見舞いなどの送受信履歴(過去6年分)も、同じカード上で管理することが可能。バージョン「16」では履歴管理機能が強化され、宛名印刷時に過去の履歴データを一括で設定できるようになった。
住所録データの分類・抽出には「フィルタビュー」「スマートグループ」という二つの強力な機能が追加された。「フィルタビュー」は、住所録データを五十音(姓名/会社名)や会社名別、都道府県別といった条件で自動分類する機能。プルダウンメニューで条件を指定するだけで、該当するデータが抽出表示される。
「スマートグループ」は、必要な宛名データをすばやく抽出するための機能。iTunesのスマートプレイリストのような、高度なグループ化を行える。初期状態で用意されたスマートグループは「自宅宛」「会社宛」「昨年年賀状を出した人」「昨年年賀状をくれた人」など。ユーザが新たなグループを作ることも可能。住所録データのほぼすべての項目を対象に、最大10件までの条件を指定して、グループを作成・登録できるようになっている。
住所録データは、「宛名職人」の旧バージョン(Ver.10〜15)のものをそのまま利用できるほか、ContactXML 1.1、vCard 2.1/3.0、CSV、tab区切り形式のデータも読み込める。データのシンクロは、従来からの(Mac OS X標準)アドレスブックに加え、iPhoneのアドレスブックとも行えるようになった。
裏面では、宛名データを入れたり、写真などの素材を差し替えたりするだけで完成するデザインテンプレートを多数収録。2010年特選、年賀状、年賀状欠礼状、寒中見舞、暑中見舞い、クリスマス、個人の挨拶状、仕事の挨拶状、写真付はがきなどのカテゴリーで分類されている。さらに長3(縦横)/長4(縦横)などの封筒や、祝儀/不祝儀用のし紙などのテンプレートもある。
デザインテンプレートをベースに、ユーザが文字や画像を変更したり、追加したりすることも可能。文字ではフォントや色、位置などを指定できる。登録済み(または新規)の差出人データを参照することも可能だ。画像の差し替えや追加、左右/上下方向の配置、複数データの背面/前面指定、回転/反転といった編集も行える。裏面デザインをJPEG形式の画像ファイルに書き出す機能もある。書き出し時の品質や解像度を設定することが可能で、メールへの添付用やWebページ掲載用のデザインも手軽に作成できる。
さらに、iPhotoや「ピクチャ」フォルダにある写真をプレビューした上で、裏面のデザイン用に読み込める「イメージブラウザ」も追加された。画像の表示サイズはスライドバーで簡単に変更できる。